聖書のトリビア ⑦  「地の塩」

キリスト・イエスはいわゆる山上の垂訓の中で人々に向かって、あなたがたは「地の塩・世の光である」と教えられました。「世の光」になれというのは、光を輝かせ(良い行いをもって)人々の導き手になりなさいという比較的わかりやすい教えだと理解されます。

しかし「地の塩」にはどういう意味か若干分かりにくいところがあります。塩には、物に味付けをする働きの外に、防腐の効果があります。 古来人間にとって塩は欠かすことのできない大切なもので、金と並んで貴重品とされました。生命の維持には塩は欠かすことのできないものなのです。しかもキリストは我々人間に向かって、「地の塩になりなさい」というのではなく、「あなたがたは地の塩です」」と言われたのです。特に取り柄のない平凡な庶民の私達でも、「この世の中に味をつけ」、「世の腐敗を防止し」することができると言われているのです。不正がはびこり、偽りが蔓延しているこの時代に生きる我々にとって、大きな期待を寄せられている言葉としてその重みを感じます。

 もしその塩気を失ってしまったなら、「外に捨てられ人々に踏みつけにされる」と続く聖書の言葉は厳しく感じます。

出典;新約聖書 マタイ福音書5;13~14

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