自分の立ち位置

・最近はいろいろ便利なグッズが出てきて、機械音痴の私でも時としてその恩恵に与ることがあります。先だっても友人とある所へ出掛けたのですが、私は初めての所だったので彼に道案内を任せっぱなしでした。おしゃべりに夢中になっている間に、かなり雰囲気が違うところへ出てきてしまいました。彼も実はあまりよく知らなかったということで、かなり見当はずれのところに出てしまったようです。そこで役に立ったのが私が最近買い換えた携帯です。らくらくフォンと言っていろいろな機能がついているいわゆるスマホです。その便利な機能を全く使いこなしていないのですが、唯一使えるのが地図機能です。いわゆるナビ機能がついていて、現在地が明示されます。それを取り出して見たところとんでもない方向違いをしていたことがわかり、あわてて道を大きく変更することができました。

・自分の現在の位置を知ることは何かにつけてとても大切なことだと思っています。個人にしても組織にしても、現状をわきまえないととんでもない判断ミスを犯してしまいがちです。私は最近の日本や世界の情勢を見ていて、多くの国民や指導者たちも、今我々が大変厳しい状況におかれている情勢にほとんど気が付いていないのではないかと心配になっています。

・私はこのことを考える時にいつも思い出すのがチャップリンの「黄金狂」と言う映画の一場面です。雪深い山に金鉱を捜し求めて来たチャーリ―が、猛吹雪に難渋し、山小屋にたどり着いたがそれが崖っぷちの傾きかけた山小屋だった。それに気が付かずその中で相手と繰り広げられるドタバタ劇。最後に気づいてそこから必死の脱出を試みるシーン。

・この一連のシーンから、自分がどんなに危険な状態にいるのかなかなか気付かずに、他のことに夢中になっている人間の姿の滑稽さに、深く考えさせられるのです。自分の立ち位置を知らないでで、目の前のことにばかりとらわれている姿は最近あちこちで目にします。自分の殻を破って外のことに目を向けることができないタコツボ型の人生、目の前のことや、身の回りのことしか目に入らない自分中心の生き方がいかに広くはびこっていることでしょうか。これが政治や経済の指導者層の中に蔓延していることにはさらに脅威を感じます。いま私たちは目を大きく見開いて、自分の立ち位置を見つめ、どちらに向かって自分の進路を取るべきか考えなければならない大事な時期に立たされていることを悟らなければならないのではないでしょうか。

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