『神の恵みによって強くされる』
はじめに
本日の聖書箇所から、主イエスにある恵みによって強くされる幸いを見てまいります。
Ⅰ．神の恵み
パウロは、テモテに「キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい」（Ⅱテモテ2：1）と励ましています。これは、自分の力で頑張って強くなりなさいというのではなく、主イエスにある神の恵みによって「強くされなさい」と語っているのです。神の恵みは、人の力で獲得するものではなく、主の一方的な愛によって与えられるものです。神の恵みは、御子イエスの十字架に表されています。神の恵みにとどまるとき、どんな罪人であっても罪赦され、神の子とされ、主の民とされるのです。
主はぶどうの木のたとえで、枝が木につながっていれば実を結ぶように、主にとどまるなら実を豊に結ぶことを教えて下さいました（ヨハネ15：5）。パウロは、主の恵みを知っていたので、「私を強くしてくださる方によって、私はどんなことでもできるのです。」（ピリピ4：13）と宣言しました。私たちも、主イエスにつながっているなら、強くされ、あらゆる祝福に満たされることを覚えましょう。
Ⅱ．兵士、競技者、農夫のように
パウロは、キリストにある恵みによって強くされる人の姿を、兵士、競技者、そして農夫という三つのたとえを用いて教えます。「兵士」は、兵を募った人を喜ばせようとするように、主イエスを喜ばせるために、自分に与えられた使命を果たそうとします。「競技者」は、栄冠を得るために規程に従って競技をするように、私たちも、主の御心に従って神の栄冠を目指して走り続けます。そして、「農夫」が豊かな収穫を信じて、毎日の作業を続けるように、どんな時にも主イエスの報いを期待して従い続けるのです。
これら三つに示された働きを成し遂げる力も、主が恵みによって与えて下さっています（ピリピ1：6）。主を証しし、御言葉に伴う不思議としるしを体験させて下さる聖霊を求め続けましょう。
Ⅲ．主の約束と恵みをよく考える（思い起こす）
パウロはさらに、「私が言っていることをよく考えなさい。主はすべてのことについて、理解する力をあなたに与えてくださいます」（Ⅱテモテ2：7）とテモテに語ります。主に忠実な兵士は、必ず敵に打ち勝って主の栄光を現し（Ⅰヨハネ5：4－5）、主にあって耐え忍ぶ競技者には、栄冠が授けられることが約束され（ヤコブ1：12）、主に期待して種蒔く者には豊かな収穫の喜びに与らせていただけます（詩篇126：5）。
私たちは、これらの約束を信じて主と共に歩み続けるべきです。日々、様々な信仰の戦いががあり、訓練や労苦があります。しかし、その後には、必ず勝利と栄冠、そして報いが約束されているのです。キリストにある恵みによって強められていることの幸いをよく思い起こし、主イエスと共に、神が与えてくださる栄冠を目指して進み続けましょう。
結 び
聖書は、聖徒は「主イエスにある恵みによって強くされている」と教えています。神の愛と主イエスの十字架による恵み、そして聖霊がいつも共に居て下さいます。神の恵みに満たされて、神が与えてくださる栄冠を得るために信仰の歩みを続けさせて頂きましょう。
