日本人はみな孤独である    



・私は先日数年前に発表されたユニセフのリポートを見る機会がありました。それは「先進国における子どもの幸せ」という世界の子どもたちの幸福感について調査したものですが,いわゆる先進国と言われているOECD加盟国の25カ国の子どもはどのような幸せ感を持っているか比較したものです。それによると第1位はオランダ、次いでスウェーデンという順位です。日本はなぜか一部のデータ不足があったとかで総合順位はついていませんでした。

・しかし項目別に見ていくと、日本はどの項目をとっても中位より上の項目はなかったのですが、ある項目だけはダントツの最下位。私はそれを見て愕然としました。それは「孤独感」についての調査です。自分を孤独と考える子どもは日本が29.8%。こんなに多くの子どもがひとりぼっちだ、寂しいと感じているのです。ちなみに日本の次ぎに低い国であるアイスランドでも10.3%、次のポーランドは8.4%です。日本が並外れて高い数字を示していることになります。日本の子どもはこんなに孤独を感じているのです。

・このことは子どもだけに限らないように思えます。多くの高齢者などにも共通する現象かもしれません。心を通わせる人がいない、何かにつけて相談できる人がいない,心の憩える場所がないのです。日本が14年間連続で3万人を超える自殺者を出しているのもこういう傾向に通じるのではないかと思います。今話題の「いじめ」問題に関しても、いじめを受けている子どもたちの心の逃げ場、休み場が必要だと思います。

・私は改めて現代社会におけるオアシスの必要性を痛感します。心の疲れを癒やし,ゆっくりと自分を省みるゆとりの場所です。それは必ずしも特定の場所と言うことでなくても良いと思います。信頼できる人、あるいは書物でも良いかもしれません。先日のA紙に教育学者の斉藤孝氏が「いじめられている君へ」というコラムの中で,「1人になって読書しよう」と呼びかけておられました。全く賛成です。私はその書物としては「聖書」を推薦します。ぜひ読んでみてください。

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