『主の私たちに対する目的』
初めに
今回の聖会にお招きくださり、感謝申し上げます。主はこの歴史的な教会を通して多くの業を成し遂げられてきました。主がこれからさらに大きな業を為されていくとことを覚えて主の御名を賛美します。
今日のテキストのエペソ人への手紙は、使徒パウロがAD60年ごろローマの獄中で記したもので、エペソ教会に宛てた手紙です。そうは言っても諸教会に回覧され、諸教会は冒頭にそれぞれ自分たちの教会名(地名)を入れて、保管していたようです。また、コロサイ人への手紙のすぐ後に書かれたものとも言われており、コロサイとの共通点を見ることができます。
今日の選ばれている箇所は、祈祷文の中の一部分です。執筆者パウロは度々書簡の中で祈祷文を書いています。エペソ書では一章の後半にもあり、二回目の祈りです。さらにこの箇所は、ギリシャ語聖書を見ると3章14節から19節の最後まで句点がありません。いわゆる長い一文です。
祈りは通常は立ったまま祈りますが、ここでは謙遜に膝をかがめて主の前に出ています。最初に『家族』が取り上げられています。3章1節にもありますように異邦人のために仕えているパウロは父なる神様の前にあってはユダヤ人も異邦人も共に『同じ父の家族』であることを印象付けています。
さて、この祈りの一文は三つまたは四つに分けることができます。
① 私たちが強められますように。
私たちを強めるために、御霊が私たちの内なる人に働きかけて、私たちを整え、再創造の御業を行なってくださることです。内なる人とは私たちの霊、魂、そして知性と感情、意志ということができます。具体的には、御霊は私たちの思いに働かれて、みことばを与え、その実現を通して私たちを強められるのです。
② キリストを住まわせてくださいますように。
そもそも私たちはイエス・キリストを信じた時に、心の王座にキリストの御霊をお迎えしていますので、改めて住んでくださるようにお願いしなくても良いはずです。しかし、ここで何が問われているかというと、私たちの日毎の生活において、キリストの御霊を心の王座にお迎えしているかということです。ここで『住まわせて』は仮の宿ではありません。私たちの心に住みつくことを意味しています。永住していただいている。主は日々もっと強い関係を持ちたいので、ここに取り上げているのです。
③ キリストの愛を知ることが出来るように。
神様との関係をさらに深めて歩むためには、さらに『キリストの愛』を味わう必要があることを示しています。すなわち、知的な理解を超えて、心に迫る体験を重ねていくことを示唆しています。
④ 神の満ち満ち満ちた豊かさに満たされるように。
神は満ち満ちたお方ですから、私たちにその経験をさせてくださり、度重なる経験を通して教会と私たちを成長させてくださるのです。
主の目的は私たちが主のご用のために主の素晴らしさをさらに味わい、キリストの愛に満ち満ちて歩んで行くことをパウロは願っています。私たちは更なる高みを目指して、前進していきましょう。