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『天の父は知っておられる』

説教:髙橋正人師
聖書箇所 マタイ6:25-34

はじめに

本日は、私たちのことを知っておられる父なる神の愛と幸いをみてまいります。

Ⅰ.私たちに必要なものを恵んでくださる神

主イエスは、「何を食べようか何を飲もうかと、自分のいのちのことで心配したり、何を着ようかと、自分のからだのことで心配したりするのはやめなさい。」と命じています。そして、空の鳥や野の花さえも養い装ってくださっている神は、それらよりもはるかに価値のある人間を、必ず養って下さると教えています。

当時と今とでは、心配事は異なるかもしれません。しかし、いつの時代も、心配の本質は同じで、形を変えて襲いかかってきます。私たちを愛しておられる父なる神は、私たちの救いのために、御子さえも惜しむことなく十字架の死に渡されました。その神が、御子とともに私たちに必要なものを恵んでくださらないことがあるでしょうか(ローマ8:32)。「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。」(Ⅰペテロ5:7)

Ⅱ.神の恵みに生きる幸い

主は、「いのちは食べ物以上のもの、からだは着る物以上のものではありませんか」とも語られました。これは、命や体を養い守るこの世のものばかりに目を向けるのではなく、命と体を真実に生かしてくださる神に目を向けるべきことを教えています。創造主である神は、すべてを造られ、人をその恵みで養い支えて下さっています(マタイ5:45、使徒14:17)。

神にではなく、地上の宝や富にだけ頼って生きようとするところに心配が生じます。神に信頼し、その恵みを信じて歩む時、神は私たちを心配や思い患いから解放してくださいます。さらには「天に宝を蓄える」歩みへと導いてくださいます。「天の宝」は、「虫やさびで傷物になることはなく、盗人が壁に穴を開けて盗むこともない」確かなものです。神の恵みに生かされる幸いを求め、天に宝を蓄えましょう。

Ⅲ.神の国と神の義を最初に求めて生きる幸い

主は「まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます。」(マタイ6:33)と語られました。「神の国」とは神のご支配のこと、また「神の義」とは神と私たちとの正しい関係のことです。私たちが神を受け入れる時、そこに神のご支配があり、私たちの命と体は神によって支えられ、養われていくのです。

主イエスは神との交わりを求めるようにと、「主の祈り」を教えてくださいました。この祈りは「天にいます私たちの父よ」という呼びかけから始まります。私たちは、主イエスの十字架の贖いによって罪赦され、神の子とされて、神を「天の父よ」と呼ぶ特権を与えられました。呼びかけのすぐ後に、神の国と神の義を求める祈りがあります。次に、「私たちの日ごとの糧を、今日もお与えください」と祈ることが許されています。神は祈りに応えて、私たちが生きるために必要なものを与えて下さるのです。神は、私たちのことをすべてご存じです。神に信頼して、主と共に幸いな信仰生活を歩み続けましょう(マタイ7:11)。

おわりに

主イエスは、「心配するのはやめなさい」と言われました。天の父なる神に信頼して生きる者には、神が必要を満たしてくださるからです。私たちは、この「地上の宝」にではなく、あらゆる善きものの源であり、私たちを愛しておられる神に信頼し、主イエスと共に歩み続けましょう。

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