『ソロモンにまさる者』
はじめに
本日は、真実に人を生かす神の知恵と知識そのものである主イエスを見ます。
Ⅰ.救いのしるし主イエス
パリサイ人たちや律法学者たちは、イエスが救い主であることの「しるし」を求めました。主が救い主であるというしるしは、すでに様々な奇蹟によって示されてきていました。彼らの求めた「しるし」とは、自分たちの主張の正しさ、自分たちこそが神の御心を行っていることを示すためのものでした。主は、「悪い、姦淫の時代はしるしを求めますが、しるしは与えられません。ただし預言者ヨナのしるしは別です。」(マタイ12:39)と答えました。
パリサイ人や律法学者たちは、いつの間にか自分を神のようにしてしまい、自分たちの求めにかなうしるしを見なければ信じないと主に要求したのです。神の救いのしるしは、御子イエスの十字架の贖いです。神の前にへりくだり、主イエスをまことの神として心の王座に迎える者は、だれでも救われるのです。
Ⅱ.神の愛のしるし、主の十字架と復活
主が言われた「ヨナのしるし」とは、ご自身の十字架の死と三日目の復活のことを指し示したものです。主イエスの十字架と復活こそ、いつの時代においても人に与えられている救いの「しるし」です。
主イエスの十字架と復活は、神の愛のしるしそのものです。神の愛による救いは、どんなしるしが与えられても、それを信じて受け取らなければ頂くことはできません。すべての人が救われて、真理を知るようになることを望んでおられる父なる神は(Ⅰテモテ2:4)、私たち罪人の救いのために御子をさえ惜しまずに十字架にかかることを許されました(ローマ8:32)。主イエスこそ王の王、主の主です。
Ⅲ.ヨナやソロモンにまさる主イエス
主は、ヨナの宣教によって悔い改めたニネベの人たちの救いのことを語られます。また、ソロモンの神の知恵を聞くためにやって来た南の女王も、さばきのときに、この時代の主の宣教によって信じた人々と共に、信じない者たちを罪に定めると告げました。しかし、主ご自身は、ヨナやソロモンにまさる者であると宣言されました(マタイ12:41-42)。
主イエスは、ヨナにまさって神の御国の御言葉を宣べ伝えました。また、主は人を生かすさばきを行ったソロモンの知恵にはるかにまさって、人に永遠の命を与える救い主として十字架の贖いの御業を成し遂げてくださいました。私たちは、このソロモンにまさる知恵である主イエスのもとに導かれ、主イエスと共に生きる恵みを与えられています。人を本当に生かす神の知恵そのものである主の救いを頂いて、救いの恵みを伝えて行きましょう。
おわりに
主イエスの十字架の贖いによる救いは、私たち罪人を真のいのちに生かす神の偉大な知恵です(コロサイ2:3)。主と共に生きる時、私たちは真実に神の子として愛され、祝福のうちに生かされることを覚えましょう。