『聖霊を受ける』
はじめに
本日の聖書箇所から、聖霊によって福音が全世界へと宣べ伝えられて行く幸いをみてまいります。
Ⅰ．主はすべてのことを益とされる方
ピリポは、サマリアの地で主の福音を伝え、多くの人々が主の救いを頂きました（使徒8:14）。これは、ステパノの殉教をきっかけにエルサレム教会に起こった大迫害によって散らされたキリスト者たちが、行く先々の場所で福音を宣べ伝えたからでした。
「迫害」は、確かに非常に困難な状況です。しかし、主の御手は、どんなに絶望的なことであっても、最終的には「すべてのことがともに働いて益となる」ようにして下さるのです（ローマ8:28）。私たちは、計り知ることのできない主の英知と導きに信頼して、信仰の歩みを続けましょう。聖霊は主の幻と夢を与えて、将来と希望を与えてくださるのですから（ヨエル2:28）。
Ⅱ．聖霊に満たされてキリストの証人とされる
サマリアの人々が、神の御言葉を受け入れたと聞いて、エルサレムにいる使徒たちは、ペテロとヨハネを遣わします。サマリア人たちの教会を訪れた二人は、サマリア人も主イエスの救いにあずかっていることを確認したのです。さらに、二人は、エルサレムで与えられた聖霊によるバプテスマの恵みを人々に伝えたのです（使徒8:16-17）。
聖霊のバプテスマは、主イエスの十字架による救いを頂いた後に与えられる恵みです。ペテロとヨハネを含む弟子たちは、ペンテコステの日に頂いた聖霊によるバプテスマの恵みによって、主を証しする力に満たされて、迫害の中でも、力強く大胆に福音を伝えたのです。その聖霊の恵みは、サマリアのキリスト者たちにも及びました。聖霊に満たされたサマリアのキリスト者たちもまた、サマリアの全土に、さらに世界に向かってキリストを証ししていったでしょう。この聖霊のバプテスマの恵みは、今も私たちに約束されています。キリストの証人である私たちは、聖霊の満たしをさらに求め続けましょう（使徒1:8）。
Ⅲ．神が与えてくださる聖霊
ペテロとヨハネがサマリアのクリスチャンたちに手を置くことで御霊が与えられるのを見て、魔術師であったシモンという人が、お金でその権威を手に入れようとします（使徒8:18-19）。二人の弟子は、シモンに「苦い悪意と、不義の束縛の中にいること」を見て、悔い改めを迫ります（使徒8:20-23）。 聖霊は、人が自分のものとして所有したり、自分の目的のために利用できるようなお方ではありません。聖霊は、神が与えて下さるお方であり、キリストを証しする三位一体の神ご自身なのです。聖霊は求める者に、必ず与えられるお方です（ルカ11:13）。私たちは、御言葉に堅く立ちつつ、聖霊に満たされて、へりくだって聖霊に導かれ続けましょう。
結 び
聖霊は、主イエスを信じている者に与えられています。聖霊のバプテスマは、さらにクリスチャンに、生けるキリストを証しする力を与えます。主イエスの栄光を現わし、主の御言葉を悟らせ、思い起こさせて下さる聖霊を求め、聖霊に満たされ続けましょう。
