『強く、雄々しくあれ』
はじめに
ヨシュアは、主から与えられた使命を、御言葉に従うことによって成し遂げました。本日の聖書箇所から、主は私たちに信仰による勝利を与えておられることを見てまります。
１．御言葉に聞き従う幸い
主はヨシュアに、モーセはすでに死んだということをはっきりと告げました（ヨシュア1:2）。それは、新しい時代の始まりを告げています。主は、指導者ヨシュアを励まし、モーセに与えた「カナンの地」を与えるという約束をもう一度示してくださいました（ヨシュア1:3）。民は、主がすでに与えていると言われている言葉を信じて、勝ち取って行けばよいのです（ヘブル11:1）。
私たちの生活の場、また、今置かれている所は、主の許しの中にあることを覚えましょう。各々が置かれているところで、主に信頼し、御言葉に従って生きる時、主は、様々な事柄の中で勝利を勝ち取るようにと導いておられます。時に私たちは、過去に縛られたり、将来に不安を覚えて、前進することができない困難をおぼえます。しかし、主はヨシュアに語られたように、「強くあれ。雄々しくあれ」と私たちを励まし、主が約束されたことは必ず成就すると語られていることを信じて進んで行きましょう。主に信頼するなら、私たちは何ものにも揺り動かされず「強く、雄々しくある」ことができるのです。「幸いなのは、神のことばを聞いてそれを守る人たちです」（ルカ11:28）と語られた主イエスの言葉を覚えましょう。
２．律法の完成者、主イエスを知ることの幸い
主はヨシュアに「主が、あなたの行く所どこにでも、あなたとともにあるからである」という約束を与えてくださいました。ヨシュアは、これから起こる様々な事柄について、常に主と共にいるなら、主ご自身が戦ってくださることを教えられたのです。そのためには、モーセがヨシュアに命じたすべての律法を守り行い、右にも左にもそれてはなりませんでした（ヨシュア1:7）。
モーセ律法の中心は十戒です。十戒の中心は、主なる神を愛すること（マタイ22:37）、そして、隣人を自分のように愛すること（マタイ22:39）の二つです。主イエスは、この律法を完成してくださった唯一のお方です。モーセ律法を新約聖書的に理解するならば、それは主イエスの言葉であり、聖書の御言葉といえます。私たちは、御言葉によって主の愛を知り、主の御心を理解して御旨にかなった歩みをすることができます。さらには、聖霊の助けによる祈りによって、主を深く知ることができ、「キリストの満ち満ちた身たけにまで達する」（エペソ4:13）までにされるのです。主を知ることは、私たちクリスチャンの永遠の命に関わる大切なことです。主を知る者とされた幸いを覚えましょう。「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」（ヨハネ17:3）
3．信仰による一歩を踏み出す幸い
「あなたの行く所どこにでも、あなたとともにある」（ヨシュア1:9）との約束は、主イエスによって現代の私たちクリスチャンにも与えられています（マタイ1:23、28:20）。この約束に応答することは、「足の裏で踏む」こと、すなわち、信仰によって踏み出すことです。信じて御言葉に従って一歩を踏み出す時、そこに主は勝利を与えてくださることを覚えましょう。
主なる神が、私たちと共におられるということは、観念や神秘体験によってではなく、御言葉に従うことによって理解できるのです。御言葉に根ざさない行動や「神秘体験」は、どんなに熱心であっても実を結ぶことはありません。御言葉に根ざし、信仰をもって、主の恵みに押し出されて主に奉仕するというバランスが大切です（ヤコブ2:17、ローマ2:10）。
主を信じる歩みには、順境の時も逆境の時もあります。大切なことは、いかなる境遇にあっても、主が共にいてくださる歩みは、平安で、確かであるということです。主に拠り頼んで人生を歩む時、私たちは、どんな状況にあっても「強く、雄々しく」歩み続けることができるのです。
まとめ
主はモーセの後継者ヨシュアに、約束の地はすでに与えられており、主が常に共におられるということを約束してくださいました。その約束を信じるなら、強く、雄々しくあって、何も恐れることはないという信仰に立つことができるのです。ヨシュアのように主を信じて、信仰の歩みを続けて行きましょう。
