『キリストを仰ぎ見よ』
はじめに
本日より受難週となります。父なる神は、御子イエスの十字架の贖いによって、全ての人が主を信じる信仰によって救われるという救いの道を備えてくださいました。このことは、主イエスの誕生の700年以上も前に、預言者イザヤを通して主御自身が人々に約束しておられたことでした。誰でも主を仰ぎ見るなら救われるという約束を、御一緒に見てまいりましょう。
１．主なる神は、全てを創造された方
主は、イザヤを通して、バビロン捕囚となったユダヤ人たちが、やがて、主が立てたペルシャ王クロスによって、エルサレムへの帰還と神殿の再建を許されることを告げます（イザヤ45:1）。聖書中で、異邦人（クロス王）を「油そそがれた者」と呼ぶのはここだけです。天地全てを造られた創造主は、歴史を支配し導かれるお方です。異教の王さえも器として用いることのできる主こそ、唯一の神、まことの支配者です。
今も、私たちの日々の生活において、主は全てを統治しておられます。全ての者を愛しておられる神は、私たちが罪人であったにも関わらず、ご自分の御子イエスをさえ惜しまずに十字架の死に渡されました。そのようなお方が、御子と一緒に全てのものを、私たちに恵んでくださらないことはありません（ローマ8:32）。主の全能の御力によって、あらゆる必要が満たされることを覚えて、主に全てを委ねてまいりましょう。
２．主なる神だけが正義の神、救い主
主は「わたしのほかに神はいない。正義の神、救い主、わたしをおいてほかにはいない」（イザヤ45:21）と宣言されます。イスラエルは、神の民でありながら、偶像の虜となってしまい、金や銀などを鋳て、自分の願いや欲望を偶像として拝んでいました（イザヤ40:18-20）。偶像とは、人間の自己中心や自己実現の思いを形に表したもので、自分を神とする事の現れです。それらは、「人の手のわざ」であって、人を救うものではありません（詩篇115:4-8）。
主は、生けるまことの神であり、「さあ、来たれ。論じ合おう」と、私たちと人格的に交わってくださるお方です（イザヤ1:18）。人を愛される神は、御子イエスをこの世に人として遣わしてくださいました。主イエスは、罪以外のすべての点で、私たちと同じように試みにあわれました（ヘブル4:15）。ですから、主イエスは「無知な迷っている人々を思いやることができるのです」（ヘブル5:2）。私たちは主の「あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に」近づくことを許されました。主の前に信仰をもって立たせていただく恵みを覚えましょう（ヘブル4:16）。
３．キリストを仰ぎ見て救われよ
主は「地の果てのすべての者よ。わたしを仰ぎ見て救われよ」（イザヤ45:22）と語られて、御自身と救いを示してくださいました。これは、「地の果てのすべての者よ」とあるように、イスラエルの子孫だけではなく、遠く時代を超えて現代の私たちにも語られています。主は、イザヤを通して、人は信仰によって救われることを再び告げられたのです。
私たちは、自分や他の人々を見るのではなく、主なる神を仰ぎ見ればよいのです。主イエスは、「わたしを見た者は、父を見たのです」（ヨハネ14:9）といわれました。主イエスを仰ぎ見るとは、主なる神を信じることです。「主の御名を呼び求める者は、だれでも救われる」のです（ローマ10:13）。今が恵みの時、今が救いの日です（Ⅱコリント6:2）。
まとめ
主イエスは十字架の贖いによって、私たちの救いを完成してくださいました。私たちは、主イエスを信じる信仰によって救われます。誰でも、目を上げて主イエスを仰ぎ見る時、主が救ってくださることを覚えましょう。ハンナは一つの問題を通して、主に心注ぎだして祈りました。彼女は、主に触れられたことによって、事態が変わっていないにも関わらず、勝利を確信し、主を喜びます。その後、まだ見ていない約束の事実を確認することとなります（ヘブル11:1）。悩みの中で私たちが見上げるべきお方は、主なる神です。主は問題を解決してくださるだけではなく、主が共におられるということを確信させてくださいます。主が共にいてくださること以上に、私たちの喜びと平安はありません。主に触れていただくまで、主の前に大胆に出て行こうではありませんか。
