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『主に立ち返れ』

説教:髙橋正人 牧師
聖書箇所 ヨエル2:12-24

はじめに

預言者ヨエルの活動は、イスラエルがいなごの大群によって甚大な被害を受けた時から始まりました。彼は、この被害から主の裁きの日の近いことを悟り、主への悔い改めによって如何なる災いの中でも救われることを宣言しました。本日は、主への悔い改めについて見てまいります。

1.「主の日」に備える

ヨエルは、いなごによる甚大な災いを忘れずに、後の世代の者たちにも伝えるように人々に命じます (ヨエル1:3)。ヨエルは、国を襲った大災害は、単なる自然現象ではなく、「主の日」に備えるための主からの警告であると知らされたからです(ヨエル1:15)。

今日、私たちを取り巻く様々な問題や試練を通して、私たちは主への悔い改めに導かれ、また、信仰の訓練を受けて強められ、「平安な義の実を結ばさせて」いただくことを覚えましょう(ヘブル12:5-11)。私たちの信仰生活は、究極的には主イエスが再臨される時を待ち望むものなのです。

2.悔い改めて主に立ち返れ

大災難を受けたイスラエルの人々に、ヨエルは主の前に心から悔い改めるべきことを告げます(ヨエル2:12-13)。主が願われることは、「砕かれた霊。砕かれた、悔いた心。」(詩篇51:17)です。当時のイスラエルの人々の悔い改めの表現として、着ているものを引き裂くということがありました。預言者は、着物だけではなく、「心を引き裂く」(ヨエル2:13)こと、すなわち、徹底的に主の前に悔い改めることを強く命じたのです。

私たちは主に立ち返ること、「悔い改める」ことについて、どれほど真剣でしょうか。心を引き裂くほどに、家族や隣人、国のために執り成しの祈りをしているでしょうか。「主はご自分の地をねたむほど愛し、ご自分の民をあわれまれた。」(ヨエル2:18)とある通り、主は選びの民を愛されています。私たちは、主イエスによって、父なる神に愛されています。父なる神は、そのひとり子イエスをさえ惜しまず、十字架によって私たちを贖ってくださいました(ヨハネ3:16)。キリストの心を私の心として、主の救いの御業を宣べ伝えてまいりましょう。「ひとりの罪人が悔い改めるなら、神の御使いたちに喜びがわき起こるのです。」(ルカ15:10

3.回復の日

ヨエル2:18以降に、悔い改めた後に、主が人々の繁栄を回復してくださることが記されています。失われた楽しみと喜びが戻り、農作物を豊かに実らせる雨が注がれ、繁栄が元どおりにされ、イスラエルのただ中に、主御自身がおられることが示されます。それらの始まりは、先ず、主の前に悔い改めることから始まります。

この主による回復は、この時代の人々だけではなく、また、単なる物質的祝福に留まるものでもありません。主イエスが十字架の贖いを完成してくださり、ペンテコステの日に約束の聖霊が弟子たちに注がれて以来、主の回復はあらゆる時代の全ての人に与えられています(ヨエル2:28-29使徒2:16-21)。現在、主からの預言と幻は成就し、「主の名を呼ぶ者はみな救われる」(ヨエル2:32)という約束に従って、主と共に歩む新しい民として私たちはあることを感謝し、主の御名をますますほめたたえてまいりましょう。ハレルヤ!

まとめ

主は、心を裂いて悔い改めるなら、祝福と恵みを回復すると約束されました。父なる神は「ねたむ」ほどに、私たちを愛しおられるお方です。その愛は、ひとり子イエスをも惜しまずに私たちの救いのためにこの世に遣わしてくださったほどです。この主イエス・キリストを救い主として信じる者は、誰でも主の救いを受けられるのです。また、ペンテコステの日以来、主は全て求める者に聖霊を与えてくださいます。人の全ての問題や困難の解決は、主に立ち返ることから始まるのです。

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