『平和の源なる神』
はじめに
今年も、67回目の真の平和について思い、願う記念の日を迎えます。私たちはこの日だけではなく、常に、真の平和は主だけが成し遂げてくださることを覚えましょう。今朝は、平和の源は主にあることを見てまいります。
１．真の平和はイエス・キリスト
主は、出エジプトした民に、約束の地カナンで、主の前に正しく生きるための戒めをシナイ山のふもとで与えられました。それは、主に従う者に祝福を与えられ、そうでない者には刑罰（のろい）を与えるというものです。実は、主が人々に与えようと願っておられるのは、刑罰ではなく祝福です。罪ある人間の状態は、主が与えようとしている祝福を拒んでいます。また、神との平和を失っているために、人間界の全てに争いや混乱が起こるのです。
聖書は、人間の罪は、自分自身を神としたり（創世記3:22）、神ならぬ物を神とする（レビ記26:1-2）だけではなく、人間同士においても争いや混乱を招いていると記します。
私たちは、主の御言葉に聞き従い、主が与えてくださった救い主イエス・キリストを信じて、神との平和をいただきましょう。父なる神が遣わされた主イエスが、私たちを主の溢れる命に生きるようにしてくださったことを感謝しましょう。「神は、キリストによって、私たちをご自分と和解させ、また和解の務めを私たちに与えてくださいました。」（Ⅱコリント5:18）
２．御言葉に従うことの幸い
主は約束の地において、主のおきてに従い、命令を守り行うなら、土地の収穫をもってイスラエルを祝福されることを約束されました（レビ記26:4-5）。それに加えて、平和を与える約束をも与えられました（レビ記26:6-8）。約束の地には、家畜や人を襲う猛獣の他に、他国の脅威が常にありました。ですから、イスラエルの人々にとって、主が、それらのいっさいの敵から人々を守られるという約束はいかに平安をあたえたことでしょうか。
真の平和を実現してくださるのは「わたしはまたその地に平和を与える。」（レビ記26:6）と約束された主だけです。私たちはこの世に生きていて、不安や恐れが多くあります。主イエスも「あなたがたは、世にあっては患難があります」と語られています。しかし、「勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」（ヨハネ16:33）と語ってくださっています。主イエスの約束を信じようではありませんか。主イエスと共にある時、主の平安、平和が私たちの心と思いを守ってくださることを覚えましょう（ピリピ4:6-7）。
３．平和の王イエス
父なる神は、真の平和のために、ひとり子イエスをこの世に遣わされました。それと共に、主イエスを信じる者を、この地上に平和をつくる者としてくださいました。「わたしはあなたがたの間にわたしの住まいを建てよう。わたしはあなたがたを忌みきらわない。わたしはあなたがたの間を歩もう。わたしはあなたがたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。」（レビ記26:11-12）という約束は、主イエスにおいて成就されました。
主の御心は、人が主御自身と主の御心を知って、主と親しく交わり平和に生きることです。真の平和は、主イエスを信じる信仰によって、主と人との秩序ある関係によって与えられます。平和の神（Ⅱテサロニケ3:16）は、人と和解するために、そのひとり子をも惜しまないで「平和の君」（イザヤ9:6）としてこの世に遣わされました。主イエス・キリストこそ「人となって、私たちの間に住まわれた」（ヨハネ1:14）平和の王です。
また、神は平和の君イエスを信じる者を「平和を造り出す者」（マタイ5:9）として聖霊と共に世に遣わされますが、それは私たちクリスチャンです。私たちは、今置かれている所で、様々な人間関係の中で、主イエスの御名による平和を作り出す者として使命を与えられていることを覚えましょう。
まとめ
聖書の「平和」は、ヘブル語でシャロームと言います。それは単に、争いがないとか戦闘状態ではないというだけの意味ではなく、主なる神との平和のことを意味しています。また、シャロームとは、命溢れる豊かな状態を表します。主イエスはシャローム(平和)の神そのものであられます。平和を考えるこの時、私たちは真の平和であられる主イエスの救いの御業をさらに深く知り、主イエスの平和の内を歩み、平和の王である主イエスを宣べ伝えてまいりましょう。
