『永遠の命を刈り取る』
はじめに
パウロはこれまで、御霊によって歩むことを勧め、その結果として、御霊はキリスト者のうちに九つの実（ガラテヤ5:22,23）を結ぶことを教えてきました。今朝の箇所では、「御霊の実」を実らせるために必要なことを私たちに教えています。
1. 人は種を蒔けば、その刈り取りもする
自然界において、蒔いたものを刈り取るという原則は、霊の世界においても同じです。「人は種を蒔けば、その刈り取りもする。」（ガラテヤ6:7）私たちは、どんな種を心に蒔いているでしょうか。もし、自分の肉の欲望を満たそうとだけ願い、思い通りにならないことに対して、心に不平や不満という種を蒔き続けるなら、恨みや憎しみという苦い根が生え、それがその人の品性の一部になり、破壊的な結果をもたらすだけではなく、ついには、滅びに至ってしまいます。自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取ることになります（ガラテヤ6:8）。
逆に、どんなことも主に信頼し、主を喜ぶという種を心に蒔くなら、その種から感謝という実が結ばれます。そして、感謝という実は、やがて、他者に対する寛容や親切、善意という「御霊の人」としての品性を実らせます。
「御霊のために蒔く者」とは、主イエスを信じて、聖霊によって全く新しく生まれ変わった者が、御霊に導かれて、御霊に喜ばれる歩みをすることを示しています。この歩みは、信仰なしにはできません。私たちが蒔く種は、主イエスに対する信仰の種でなければなりません。
2．多く蒔くものは多く刈り取る
私たちは収穫を期待して種を蒔きますが、多くの収穫を得るためには、たくさん種を蒔くことが必要です。「少しだけ蒔く者は、少しだけ刈り取り、豊かに蒔く者は、豊かに刈り取ります。」（Ⅱコリント9:6）また、主は、種を蒔く人に種と食べるパンを備えてくださり、それをふやし、義の実を増し加えてくださいます（Ⅱコリント9:10）。これは、御国のルールです。
私たちは時に、主に対して良いこと、正しいことを行なおうとして、他の人から反対されたり、誤解されたり、時には、迫害されるような事が起こることもあります。それによって、信仰を成長させることを途中で投げ出したくなることもあるでしょう。しかし、聖書は、そのような時もたゆまず種を蒔きつづけるよう教えています（伝道者11:6）。私たちは善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになることを覚えましょう（ガラテヤ6:9）。私たちが刈り取るものは、朽ちるものではなく、永遠に残る実です。私たちは、「機会のあるたびに、すべての人に対して、特に信仰の家族の人たちに善を行ない」続けてまいりましょう（ガラテヤ6:10）。
3．刈り取りまでには時間が必要である
収穫には時間が必要です。そのために、種を蒔く者は刈り取りの時が来るまで、忍耐しなければなりません。収穫の時は必ず来るのです。それまで、主にある兄弟姉妹が、互いに信仰を励まし合うことは大切なことです。「失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります」（ガラテヤ6:9）。収穫のために主が備えてくださる「時期」があるのです。主を待ち望む私たちクリスチャンに必要なことは、主イエスが教えてくださったように、互いに愛し合い、互いの重荷を負い合うことです（ガラテヤ6:2）
時に、私たちが行っている主に対する善なる行為は、まるで水の上に大切なパンを投げているようにしか思えないこともあります。しかし、ずっと後の日になって、それを見出すことを聖書は教えています（伝道者11:1）。
また、聖書は「こういうわけですから、兄弟たち。主が来られる時まで耐え忍びなさい。見なさい。農夫は、大地の貴重な実りを、秋の雨や春の雨が降るまで、耐え忍んで待っています。あなたがたも耐え忍びなさい。心を強くしなさい。主の来られるのが近いからです」（ヤコブ5:7,8）と教えています。私たちは、永遠の命を刈り取るため、収穫を期待して、主のために霊に蒔き続けましょう。
まとめ
主は、私たちに御霊のために種をまくこと、収穫の時を信じて待ち望むことを教え励ましてくださいます。私たちはどんな種を蒔くかが大切です。何よりも、私たちの近視眼的になりがちな視野を、聖霊によって広げていただきましょう。私たちが見なくてはならないものは、永遠に残る実です。自分の肉の欲のために種をまいて、滅びを刈り取るのではなく、御霊のために蒔いて、永遠の命の実を刈り取りましょう。
