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我らと共におられる神

説教:高橋正人 牧師

はじめに

アドベントの第一週を迎えました。これからクリスマスまで、救い主の御降誕の約束と成就について見てまいりましょう。

イスラエル国家が存亡の危機に直面しているとき、神のメッセージを伝えるために預言者イザヤが立てられました。主のメッセージは、戦いの準備をもってイスラエルを救うというものではなく、神に一切をゆだねて信頼するなら救われるというものでした。そして、救いの約束として主が与えたのは、インマヌエルの約束、即ち、「神は私たちとともにおられる」という驚くべきものでした

Ⅰ.聖書における救いとは、神の臨在である。

ユダの王アハズの時代に、シリヤとエフライムの同盟軍が攻めてくるという知らせが王に伝えられました。その時、主はイザヤを通して、主を信じて信頼しているなら主ご自身がユダを救うと約束されました。その約束のしるしが、一人のおとめがみごもって男の子を産み、その名を「インマヌエル」と名付けるということです(イザヤ7:14)。

「インマヌエル」という言葉は、「神が我らと共におられる」という意味です。聖書における救いとは、究極的には、病気の癒しや敵を打ち破って勝利したとか、困難に際して祈りが聞かれたということではなく、神が共にいてくださることそのものです。言い換えるなら、神の臨在こそ私たちの全ての問題の解決であり、救いなのです。主が共にいてくださるときに、私たちに既に勝利と解放があるのです。聖書の中には、最初の人間アダムから始まって、アブラハム、モーセ、ヨシュア、ダビデなど、主がいつも人と共におられるお方であることが示されています。これらの人々は、特別な人たちではなく、私たちと全く変わらない弱さや欠点を持った人々でした。主が彼らと共におられたので、彼らは主の働きをすることができたのです。

Ⅱ.インマヌエルの事実は、主イエスに現されている。

ここで言われる「おとめ」とは誰か。アハズ王の后であるとか、あるいはイザヤの妻であるとか、その他、当時の人々はいろいろと考えたことでしょう。この約束は、およそ700年後に、イエス・キリストの誕生で成就したとマタイ福音書の記者は記します(マタイ1:23)。このイエス・キリストは真の神であられますが、私たちと全く同じ人間としてこの世に来てくださいました(ヘブル2:14-15,17)。救い主を与えるという主のご計画は、当時の人々のみならず、人間の理解を全く越えたものでした。「目が見たことのないもの、耳が聞いたことのないもの、そして、人の心に思い浮んだことのないもの。神を愛する者のために、神の備えてくださったものは、みなそうである。」(Ⅰコリント2:9

主イエスのご臨在は、永遠の滅びに人間を追いやろうとする死と悪魔の力から私たちを救うのです。永遠の滅びから永遠の命の中に私たちを導いてくださるというのが、インマヌエルの意図であり、目的であり、計画です。主はそれを御子イエスによって私たちに実現してくださったのです。

Ⅲ.主がともにおられる故に、私たちは救われ、さまざまな主の働きを許されている。

マタイ福音書第28章で、主イエスは弟子たちに宣教命令を語られてから「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」(マタイ28:20)と約束されました。また、マタイ第18章においても、私たちが地上で心を合わせて祈るならば、天の父は何でも聞いてくださると語られました(マタイ18:20)。主イエスは、罪からの救いにおいて、祈りにおいて、そして伝道において、常に私たちと共におられるインマヌエルのお方です。

罪に悩んでいる方があるならインマヌエルの主は、悔い改めの祈りをもって信頼するあなたを罪から救ってくださいます。生活上の様々な問題や試練の中にある方々は、「すべての点で、私たちと同じように、試みに会われた」(ヘブル4:15)主イエスを見上げましょう。主は必ず約束通り「おりにかなった助け」(ヘブル4:16)を与えてくださいます。伝道の困難を感じている人には、御霊によって知恵と忍耐ととりなしの祈りへと導いてくださいます。どのように祈ったらよいかわからなくなっている者には、主イエスの御霊である聖霊ご自身が言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます(ローマ8:26)。主が私たちと共にいつもいてくださるというのは、何という幸いであり、慰めでしょうか。

結 び

「見よ。わたしは、戸の外に立ってたたく。だれでも、わたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしは、彼のところにはいって、彼とともに食事をし、彼もわたしとともに食事をする。」(黙示録3:20)とあるように、主は私たちと共におられることを望んでおられます。神の臨在、インマヌエルこそが私たちの救いであり、他の何ものにも勝る喜びであり、平安です。クリスマスを迎える季節に、私たちのところに来てくださった主イエスを心に信仰を持って迎え入れ、主からの幸いを得ようではありませんか。

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