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圧倒的な勝利者

説教:田村敬子 伝道師
聖書箇所 ローマ8:31-39

1、 父なる神の愛

父なる神にとって、ひとり子を十字架につけることは耐えられない苦しみであった。この『死に渡された』ということばは、厳しく激しい罪の宣告によって死刑執行にわたす、という意味であり、イエス・キリストの十字架の死の意味の解釈に用いられている。神がご自分の子を裁き「有罪」として、捨てた。また、そのいのちと栄光を剥ぎ取って、醜い十字架の死に渡し、いけにえとされたのだ。 それは、他でもない「私たちすべて」のためである。私たちを愛するがゆえになされた神の救いの計画である。ここにただ一度、しかし永遠に、そして唯一の神と私たち罪人との和らぎと交わりが与えられたのである。(Ⅱコリント5:12) 神が私たちを、これほどまでに愛してくださるのです。 「どうして、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう」 「恵んでくださる」とは口語訳そして新共同訳では「賜る」と訳されている。 受け取る側の条件に関わらず、与える側の自由な心から、喜んで与えるという、神の無条件の恵みをあらわしている。最も大切な自分の子を惜しむことなく死に渡し、私たちに全てを賜った神は、キリストと共に天と地、今と後、自然の恵み、救いの恵みなど全ての恵みをどうして惜しむことがあるだろうか。(マタイ6:31-34

2、 キリストのとりなし

「神に選ばれた人々を訴えるのはだれですか。」「罪に定めようとするのはだれですか。」 私たちは誰一人として逃れることなく、自分の犯した様々な罪を負って最後の裁きの座に引き出される。しかし、いったいだれが私たちを訴えることができるだろうか。 私たちの反対者たち、自分自身の良心、律法や法律、そしてサタンが、たとえ、大きなスクリーンにその数々の罪を映し出したとしても、イエス・キリストの十字架において、父なる神はもはや訴える者、恐ろしい裁判官ではなく、罪人を義とする神、義を宣告し無罪放免する神である。そして、私たちには弁護者としてキリストが最高の弁護をしてくださる。キリストは一度私たちの罪のために死に、神によって甦えらされた。キリストは今も、これからも生きて、常に神の右の座で私のためにとりなしていてくださる。 この「右」とは場所ではなく役割を意味している。それは、神の力、支配、主権を委ねられていると言い換えることが出来る。(ピリピ2:9マタイ28:18) 私たちは罪赦された罪人にすぎない。日々の生活の中で、自分の力ではどうすることもできない様々な失敗、汚れ、罪、不信がからみつき、まとわり付いてくる。そこに、自分の義、良心、律法、サタンがつけこみんで来るのだ。私たちを訴え、罪を宣告し、殺そうとする者が必死に足を引っ張ろうとして働く。しかし主キリストが黙ってはいない。私たちに罪や誘惑に打ち勝つ力を与えると同時に、父の恵みにすがり、父の耳に私の名前を言って、とりなし続け、ありとあらゆる罪の告訴から守り助けてくださる、まさに最高の弁護者なのである。(ヘブル7:24-26

3、聖霊を通して私たちのこころに注がれている神の愛

パウロはただ思いつきでさまざまな苦難のことばを並べたのではない。どれもこれもパウロが体験てきたことである。しかし、キリストのために苦しむことは、キリストの苦難の交わりに入ることであり(ローマ8:17)、キリストの愛にあずかり(ローマ5:3)真のキリスト者とされることの証なのだとパウロは励ましていると同時に、これらすべてのことに対して私たちは「圧倒的な勝利者」と宣言している。それは単純に負けないという意味ではない。あらゆる試みの中でもびくともしないという、選ばれた者たちの圧倒的な勝利の宣言なのである。 自然、歴史、人間を支配する運命的な力、天上と地下とを支配する天使と悪魔的な力、それらすべての力を終結しても到底勝つことのできない壮大な力が神の力である。この神の力とは、神の愛であり、言い換えるのであれば、「聖霊を通して私たちの心に注がれている神の愛」なのである。

結論

神の愛は、聞いて信じる私たちの心に今も注がれている。(ローマ5:5) 周りの状況に左右されること無く、私達の心を捉えて離さない「神の愛」が私たちを力付け、励まし、護り、弁護してくださり、今も私たちを圧倒的な勝利者としてくださる。だとしたら!! 「いったい誰がこのキリストの愛から私たちを引き離すことが出来るでしょうか。」

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