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解放者モーセ

説教:山城晴夫 牧師

イスラエルの解放者モーセの生涯はまさに神が彼をイスラエルの解放者として選び、召されたことを証するものである。ヤコブの12人の息子たちによってイスラエルが構成されていたが、その中でレビ族には特別な立場が与えられていた。モーセもまた、レビ人アムラムと妻ヨケベテの間に生まれ、後に祭司長となるアロンは3歳上の彼の兄である。イスラエル人にとって祭司と預言者は神と民とを結ぶ重要な立場であり、神によって立てられ、油注がれた人たちであった。預言者は神のことばを民に語り、(上から下へ)祭司は民のためにとりなし、民を神に導く(下から上へ)の働きをするために召された人たちである。アロンは祭司、モーセは預言者として神に選ばれ用いられて来た。

さて、モーセはパロ王のもとにイスラエルの対する非常時体制が敷かれている中に生まれてくるが、神の御手により不思議な方法で生かされ、しかも、パロの王宮で育つことになる。神はすでに彼をイスラエルの解放者として備えをしておられたのである。モーセの生涯は特長のある40年サイクルの120年であった(使徒7:23,30,36)。神のご計画の中で用いられるためには、そのための準備期間が必要である。そのままでは、主の用に役立たない。Ⅱテモテ2:21
 モーセが神の実区的であるイスラエルの開放者として用いられるためには80年の年月が必要であった。

Ⅰ. 王宮における40年

パロの王宮において次代の王位継承者として、必要なすべて、すなわち、帝王学を学んだ。当時の世界の最高レベルの学問を身につけた。地理、天文、気象、政治、医学などを学び、やがてそれらが、荒野の旅の中で役立つことになる。すなわち、知的準備の期間と言えるのがこの40年の期間である。もう一面では、この時代は自己中心の時代でもあった。彼は人々によって仕えられ、自分の思うこと、願うことはすべて備えられ、かなえられた。また、同胞のヘブル人の苦役を見、ひとりの同胞がエジプト人に打たれているのを見て、怒りに燃えた彼はそのエジプト人を殺してしまった。自分の力で同胞を救おうとしたのである。すなわち、王宮における40年は「自分がすべて」の時代であった。
 このままでは解放者としての神のご計画を果たすことは出来なかった。

Ⅱ. ミデアンの野における40年

モーセはもはや、エジプトの王宮にいることが出来なくなり、ミデアンの野に逃れていく。そこで祭司イテロのむすめ、チッポラと結婚し、姑に仕えて、イテロの羊を飼った。この期間はエジプトの王宮の時代とは逆に、仕えられる時代から仕える時代となり、また、学問を学ぶために頭を使う時代ではなく羊飼いとしてからだを使う時代となったのである。この期間を通してモーセは謙遜を学び、羊を飼うことから迷う安い人間の指導者としての心得を習得するのである。すなわち、人格的な面での円熟と成熟のために備えられていく。この時代は「自分からすべてが取り去られる」時代である

Ⅲ. 荒野における40年

あるとき、イテロの羊を飼ってホレブに来たとき、神がモーセに現われて、エジプトの苦しみの中にあるイスラエルの民を救出するために遣される。アロンとともにパロ王の前に立ち、同胞の解放の交渉に入るが、受け入れられず、神はエジプトに10の災いを送られ、ついに時が来た。私たちの救いの原点となった過越し、すなわち、小羊の血によるエジプト脱出が展開され、備えられてきたモーセに対する神のご計画の実現がいよいよ、始まったのである。この時代は「神がすべて」の時代となった。王宮のおいて、ミデアンの野において、備えられて来たすべての準備が役立つときがきたのである。ローマ8:30 それから神の約束の地カナンへの旅へと導かれる。この40年間は過去の80年以上に困難と苦難のときではあるが、出エジプト3:12に主が語られているように神はつねに彼らとともにおられ、守られた。

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