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『神の報いを求めなさい』

説教:髙橋正人師
聖書箇所 マタイ6:1-8

はじめに

本日の聖書箇所から、神の報いを求める幸いを見ます。

Ⅰ.神の恵みを分かち合う

山上の説教で、主イエスはこれまで、天の御国にあずかる者として、神にある義や正しさについて語られました。ここからは、その義、正しさを行うにあたり、人ではなく神に見られるようにすべきであると教えます(マタイ6:1-4)。

主イエスの十字架の贖いによる救いに与った私たちは、神と共に生きる者とされました。神は、私たちの全てをご存じで(詩篇33:13-15)、日々の歩みの上に神の愛と豊かな恵みを与え続けてくださっています。神の豊かな恵みに応えて、神の恵みを、特に主イエスの救いの恵みを隣人に分かち合って行きましょう。主によって、私たちは「地の塩」、「世の光」とされているのですから(マタイ5:13、14)。

Ⅱ.神の恵みに応えて善行を行う

主イエスは、善行は父なる神から与えられる報いを求めて行いなさいと教えます。ここでは、三つの善き業(施し、祈り、断食)について語っています。これらは、本来神に対する恵みの応答として、信仰によって行うべきことで、当時のユダヤ人にとって、善き信仰の業の代表的なものでした。

主は、善行をだれに対して行うべきことなのかを語りつつ、私たちが、人の目や評価に左右されるのではなく、目をいつも天の父なる神へと向けるべきことを教えました。神は、人が見ていないところをご存じの上で、正しい評価をされるのです。私たちの全てをご存じの上で、神は私たちを愛し、神の命に生きるようにと御子イエスを世に遣わしてくださいました。私たちのことを全て知っておられる神は、まどろむこともなく眠ることもなく、私たちを見てくださっています(詩篇121:4)。主イエスから目を離さないで、信仰生活を歩み続けましょう(ヘブル12:2)

Ⅲ.神からの報い

主は、山上の説教で、律法が本来教えている神の愛と恵みに生きることへと人々を導かれました。神の恵みを覚えて、その恵みに応答して善行を行うことを通して、本来の父なる神との交わりに生きることを勧められました。

私たちが求めるべき神の報いとは、天の父なる神との交わりです。主イエスは、そのために、世に遣わされ、罪人を救うために十字架に死なれ、三日目に復活されました。そして、主を信じ受け入れる者を神の子として、永遠の命を与えてくださいました。私たちは、神と人との仲介者である主イエスによって、父なる神と和解させていただき(エペソ2:14、Ⅰテモテ2:5)、神を「アバ、父よ」と呼ぶことができるようにされました。さらに、主イエスの救いとその恵みを人々に証しする者とされました。主の偉大な恵みに感謝し、ますます主に仕え、主と共に歩み続けましょう。

おわりに

神からの報いは、人の善い行いによって獲得されるのではありません。神は、善い行いが何もできない私たちを、主イエスによって、神の救いの恵みを受ける者としてくださいました。神の恵みに応えて、神からの報いを求めて、ますます主に仕え、神の救いの良き訪れを伝えましょう。

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