『おことばどおりに』
はじめに
アドベントの第3週は、神の御言葉を受け入れ従ったマリヤの信仰を見てまいります。
Ⅰ.主が選ばれた時、場所、人
ユダヤ人の王、また全人類の救い主イエスが誕生したのは、イスラエルがローマ帝国に支配されていた時のガリラヤのナザレという町でした。イスラエルの宗教の中心地エルサレムやその周辺の都市ではありませんでした。主の母親となるマリヤ、そしてその夫となるヨセフもごく普通の人でした。
神は、時と場所、そして人を選んで、救い主を生まれさせてくださいました。二人が、神の救いのご計画を受け入れたことで、主の救いの恵みである神の御子イエスが、すべての人に差し出されたのです。主は今も、それぞれの場に置かれたクリスチャンたちを通して、主の救いの恵みを証ししておられます。マリヤが御言葉に従ったように、私たちも御言葉に従って歩む時、主は御言葉に伴うしるしと不思議を成して下さるのです。
Ⅱ.御子の誕生は、神からの一方的な恵みによる
御使いは、マリヤに「おめでとう、恵まれた方」と挨拶した後、「あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。」(ルカ1:31)と告げます。さらに、生まれてくる子は「いと高き方の子と呼ばれる」、「ダビデの王位を与えられる」、「とこしえにヤコブの家を治める」、そして「その国は終わることがない」(ルカ1:32-33)と語られました。
これは、主イエスの誕生は、神からの一方的な賜物であり、人の努力や能力などを遥かに超えた、人の手の全く及ばない神の御業であることを示しています。私たちは、この神の特別な贈りものである御子イエスを、心から感謝して受け取り、このお方によって神が備えて下さった救いを頂こうではありませんか。
Ⅲ.御言葉のとおりこの身になりますように
神の恵みの働きかけに対して、マリヤは驚き戸惑いながらも、「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」と告白して、主に従いました(ルカ1:38)。
私たちも、マリヤのように主の語りかけに対して、信仰によって応答しようではありませんか。目の前に、様々な困難や立ちはだかる大きな恐怖があっても、「神にとって不可能なことは一つもありません」との御言葉の約束を堅く信じて進んで行きましょう。クリスマスを迎えようとするこの時、主の大いなる恵みの御業を覚えながら、再び来られる主イエスを待ち望んで歩みましょう。
結 び
マリヤに語られた「神にとって不可能なことは一つもありません」(ルカ1:37)という御言葉は、主イエスの十字架の贖いという救いの御業に明確に示されました。私たちもマリヤのように、「あなたのおことばどおりこの身になりますように」と、主に従う幸いに生きようではありませんか。主は私たちを通して、ご自身の救いの御業を表してくださるのです。