『あなたの創造者を覚えよ』
はじめに
今日からアドベントです。伝道者の書の結論から、私たちの人生の幸いについてご一緒に考えたいと思います。
Ⅰ.あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ
伝道者の書の著者は、この世で生きることの意味や目的について知ろうとしました。彼は、この地上で、あらゆる知識や知恵、地位や名誉、巨万の富を得、快楽も思う存分味わいました。しかし、その行き着いた結果は、「空の空。すべては空。」というものでした。
伝道者はこの世における空しさを十分知った上で、「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。」という結論に行き着きました。それは、「わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に」備えて生きるためであると教えています(伝道者12:1)。主イエスは私たちの所に来てくださり、十字架の贖いによって救いの道を備えてくださいました。主によって、私たちは「創造者」なる神を知るものとされました。日々、創造者である主なる神を知る幸いを歩み続けましょう。
Ⅱ.真理のことば
伝道者は神から知恵を頂いている者で、その知恵を民に教えました。彼は思索し、探求して、真の祝福と喜びを与え、人生を有意義にするための真理のことばである箴言をまとめました(伝道者12:9-10)。
神の御言葉は、人を真に生かすものです。主イエスは、「ことばは神であった」とある通り、私たちと同じ人となられて世に来てくださった真理の御言葉です(ヨハネ1:1)。「神のことばは、すべて純粋。神は拠り頼む者の盾。」(箴言30:5)であり、また私たちの歩むべき道を照らし、導き生かすのです(詩篇119:105)。御言葉なる、唯一人の牧者である御子イエスに信頼して歩む時、暗闇を歩くことはありません。
Ⅲ.神を恐れ、神の命令を守れ
伝道者の著者は、結局のところ、「神を恐れよ。神の命令を守れ。」ということが、人間にとってすべてのすべてであると述べます(伝道者12:13)。神は善であれ悪であれ、あらゆる隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからです(伝道者12:14)。しかし、神の命令を守って義に到達することは、人には不可能です。そのため、父なる神は、御子イエスを世に遣わして、私たちが神の言葉に聞き従って真に生きる者とされる救いの道を、恵みによって備えてくださいました。「私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです」(エペソ2:10)から、神の知恵であるキリストに心を向けましょう。すべてを支配しておられる神を知り、神を恐れ、この神と共に歩む幸いを、なおも歩ませて頂こうではありませんか。
結 び
伝道者の書の著者は、神なき世を生きることの空しさを教えています。その上で、この世にあって、人としての本分は、創造主なる神を知って、神を畏れて生きることであると教えます。人となって世に来てくださった主イエスの十字架の贖いによって、私たちは救いを頂き神を知る者とされました。神に愛されている者として、救いに感謝し、主を愛し、益々神を知ることを喜びとさせて頂きましょう。