『共におられる平和の神』
はじめに
本日は、私たちと共におられる平和の神について見てまいります。
Ⅰ．主にあって
パウロは、ピリピ教会で起こっている幾つかの問題について取り上げ、人々を励ましています。最初に、「主にあってしっかりと立ってください」と命じます。その後も同じように、「主にあって」と語った後で「一致してください」、「喜びなさい」と続けて励まし、また「心と思いを･･･守ってくれます」と望みを語ります。
私たちが「主にあること」、つまり主に信頼し、拠り頼むとき、日々迫ってくる問題や戦いに解決や勝利をさせて頂けるのです。それだけではなく、あらゆる境遇の中で主に感謝し、喜ぶことができるようにしてくださることを教えています。私たちを強くしてくださる主イエスによって、状況に左右されることなく、主に対する期待を持ち、様々なことに勝利することができることを覚えましょう。
Ⅱ．同じキリストに救われた者として
パウロは、最初の頃からピリピ伝道のために協力した二人の中心的な女性、ユウオデヤとスントケに、「主にあって一致してください」と勧めます。彼らの対立は教会全体を巻き込むような深刻な問題ではなかったかもしれません。しかし、パウロにとっては、ピリピ教会がさらに主にあって一致し、成長するために取り扱わなければならない事柄でした。
パウロは「主にある」という恵みの中に立つのなら、ユウオデヤやスントケだけではなく、すべての聖徒が一致すると確信していたのです。それは、主イエスの十字架の贖いは、神と人との間に平和を与えると共に、人と人との間にも平和を与えるからです（エペソ4:4-6）。同じキリストの救いを頂き、同じ御国を目指して歩むものとして、それぞれ主に与えられた個性を尊重しながら、主イエスに似る者として成長させて頂き、共に歩み続けましょう。
Ⅲ．平和の神が共にいてくださる
パウロは最後に、心に留めるべきことを6つ教え、さらに「徳と言われること」、「称賛に値すること」を行うように勧めます（ピリピ4:8-9）。これは、一般的な意味での道徳的な徳目と言うよりも、主イエスと共に歩むことによって結ばれる実の豊かさに心を留めることを教えています。
主イエスは、人の外側に現れ出てくる言動は、その人の「心」から出て来るものであると語られました（ルカ6:45）。私たちは、どの様なことに関心を持っているか、また心を留めているかによって、その言動が決まります。私たちと共にいてくださる「平和の神」から目を離さないで歩み続けるなら、「人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。」（ピリピ4:7）ハレルヤ！
結 び
キリスト者の内には、平和の神、主イエスが共におられます。聖書における「平和」とは、争いがないことばかりではなく、あらゆる祝福を意味しています。私たちをあらゆる善いもので満たし、楽しませてくださる平和の主と共に歩み続けましょう（Ⅰテモテ6:17）。
