『弟子たちのための祈り』
はじめに
本日は、十字架を目前にされた主イエスが、弟子たちのために祈られた祈りを見てまいります。
Ⅰ．神によってこの世から選び出された者たち
主イエスは、弟子たちのために祈られました。それは、彼らが父なる神によって世から呼び出された者だからです（ヨハネ17:6）。主イエスの弟子とは、この世から救い出された者のことです。主は今も、私たちクリスチャンのために、「この世の君」の支配の下から区別されて、主の弟子とするために執り成し祈ってくださっています。
私たちは、主イエスの祈りに支えられていることを覚えて、信仰に堅く立ち、終わりの日の栄光を待ち望みつつ歩み続けましょう。私たちを守る主は、「まどろむこともなく、眠ることもない」（詩篇121:4）お方です。罪があり弱くても、主は私たちを支えて、「世界の光」、「地の塩」としてくださり、神の栄光を現す者としてくださっていることを感謝し、主の召しに応えましょう。
Ⅱ．御名によって守ってください
主の弟子たちのための祈りは、「あなたの御名の中に、彼らを保ってください」というものです（ヨハネ17:11）。主は、まもなく十字架の贖いを成し遂げられ、父なる神の御許に行かれます。しかし、弟子たちはしばらくの間は世にあって、主と共に歩みながら、世の人々に福音を伝えなければなりませんでした。
主の願いは、聖徒たちがこの世から取り去られることではなく、「悪い者」から守られ、福音がクリスチャンたちを通して宣べ伝えられて行くことです。そのために、すべての聖徒に聖霊が与えられ、ひとつの心、一つの思いを与えられているのです（エペソ4:3-6）。世に勝利してくださった主が共におられることを覚えて、主イエスの救いを宣べ伝え、各々に委ねられている使命を果たさせて頂きましょう（ヨハネ16:33）。
Ⅲ．真理によって聖別してください
主のもう一つの願いは、「真理によって彼らを聖め別ってください」（ヨハネ17:17）というものです。「真理」とは、神の御言葉のことで、「聖め別つ」とは、この世のものから離れて神のために区別して、神だけのものにするということです。父なる神が、御子イエスを世に遣わされたように、私たちも主によって世に遣わされています。神の偉大な恵みは、主イエスの十字架の救いの御業に表わされました。さらにその恵みは、私たちの日常の生活や品性において、キリストに似るものとされるために与えられているものです。
私たちがキリストに似る者となるのは、御言葉と聖霊の導きによることです。神の御言葉に生きるとき、そこには神の命と力が働き、必ず良い実を結ぶようにしてくださいます。すでに主イエスの十字架の救いによって神の民、神に属する者とされたことを感謝しつつ、それぞれ置かれたところで、キリストを証しして行きましょう。
結 び
主イエスの救いを頂いた私たちには、まだ罪の残骸があり弱さがあります。しかし、主はそれをご存じだからこそ、いつも執り成し祈って下っています。また、御霊も弱い私たちを助けてくださいます（ローマ8:26）。主の執り成しに支えられていることを覚えて、各々に与えられた主の栄光を表わさせて頂こうではありませんか。
