『聖霊に満たされて』
はじめに
本日のペンテコステ礼拝で、初代教会が聖霊によって力付けられ、前進していった姿を見てまいります。
Ⅰ.伝道に伴う妨げ
ペンテコステの日に聖霊の力を受けた聖徒たちは、主イエスこそ救い主であると人々に宣べ伝え、多くの人々が主イエスを信じて教会が誕生しました。同時に、福音を伝えることへの妨害も起こり、教会の誕生以来、伝道には妨害や困難があることを聖書は教えています。それでも、教会は様々な妨げにも関わらず、篤い祈りを神にささげ福音を語り伝え続けました(使徒4:24、12:5)。
教会は福音宣教をする群れであり、宣教には教会に連なるすべての人々の祈りと支えが必要です。伝道は個人の業ではなく、教会全体の業です。キリストを証しするとき、一人ではなく、聖霊の導きと背後に教会の祈りがあることを覚えましょう。
Ⅱ.聖霊は一致の祈りへと導く
教会の人々は、ペテロとヨハネの宣教報告を聞いて「心を一つにし、神に向かって声をあげて」祈りました。その祈りは、神の御業をほめたたえ、信仰の告白をして、さらに御言葉を大胆に語らせて下さいというものでした(使徒4:24-30)。
教会は心を一つにしましたが、それは単に人間的に一致団結したということではなく、聖霊に導かれたことでした。御霊は、聖徒たちに祈るべき神の御心を示されたのです。その結果、「集まっていた場所が震い動き、一同は聖霊に満たされ、神のことばを大胆に語りだした」のです。主イエスは、聖徒たちが共に地上で心を一つにして祈るなら、天の父なる神はその中におられて、必ず祈りに応えてくださると語られました(マタイ18:19-20)。聖霊は、主を証しする力を与えてくださいます。そして、教会の群れに神の御心を教えて、それを実現へと導いて下さいます(ピリピ2:13)。共に聖霊を求めて祈り、主の御業に加えて頂き、主の御業を見させて頂きましょう。
Ⅲ.御霊に満たされる
教会の聖徒たちの信仰の告白と祈りの言葉に応えて、聖霊が人々に再び臨みます(使徒4:31)。ペンテコステの聖霊降臨が、もう一度繰り返されたと言ってもよいでしょう。しかし、この時は最初とは違って、妨害や脅しに屈することなく、大胆にキリストを証し続けていくためのものでした。
今に至るまで、聖霊は主を信じる全ての者の内におられます(ヨハネ3:5、Ⅰコリント12:3)。しかし、パウロはなおも「御霊に満たされなさい」と命じます(エペソ5:18)。それは、聖霊がキリストを証しする力を付与すると共に、聖徒の内に生きて働き、神の深い愛を教えて礼拝へと導き、聖徒の建徳的な交わりを与えてくださるからです。主の救いを頂いた者として、御霊のさらなる満たしを求めて、キリストの身丈に至るまでに神を知る恵みを頂きましょう。神は、聖霊のさらなる満たしを求める者に、必ず応えて下さるのですから(ルカ11:13)。
結 び
ペンテコステの日に生まれた教会は、その初めから伝道するときに様々な妨げを受けました。その様な時、教会は主に拠って一つとされ、共に祈り支え合い、そこで主の御業を見たのでした。私たちも、聖霊に満たされることを求めて、共に祈り合い、前進して行きましょう。