『信仰と正しい良心を保つ』
はじめに
本日は、パウロの個人的な証しを通して、テモテを力づけている信仰の励ましをみてまいります。
Ⅰ.主の賜物と召命は変わらない
パウロはテモテを励ますため、まず彼が主に感謝していることを知らせました(Ⅰテモテ1:12)。彼は、自分が使徒とされたのは、特別な能力や人格的に優れていたためではなく、ただ主の一方的な恵みとあわれみに拠ることであると語りました。この感謝の言葉によって、テモテが自分の弱さにではなくて、キリストの力に目を注ぎ、主の賜物と召命は変わらない(ローマ11:29)ことを思い起こさせるためでした。
私たちは、様々なことで弱さを感じたり自信を失うことなどがあります。しかし、私たちが弱くても主は強いのです。そして、私たちを召し出してくださった神は、御子イエス・キリストの十字架の贖いによって聖徒を勝利者としてくださっていることを覚えましょう(ローマ8:37)。
Ⅱ.主の力は、弱さのうちに完全に現れる
パウロは、自分があわれみを受けた理由を述べています。彼が救われたのは、神はどのような罪人でも、「今後彼(主イエス)を信じて永遠のいのちを得ようとしている人々の見本にしようと」したからであると述べます(Ⅰテモテ1:16)。彼は言います、主は私のような罪深い者でも救ってくださったのですから、救われない人などいない、と。主イエスを信じる者は、だれでも救われるのです(ローマ10:13)。
私たちはときに、主の前に自分の弱さや罪深さを認めて証しさえします。それは、自分たちの弱さを見せびらかすためではありません。そんな者にも、神の救いの恵みは与えられているのだという主の大いなるあわれみと恵みを証しするためです。主の力は、私たちが弱いときにこそ働いてくださることを覚えましょう(Ⅱコリント12:9-10)
Ⅲ.信仰と正しい良心によって
パウロはテモテに、主から使命を頂いた時のことに絶えず立ち返って、「信仰と正しい良心を保ち、勇敢に戦い抜く」ようにと励まします(Ⅰテモテ1:18)。「信仰と正しい良心」とは、一つのことで、神に対する信仰が保たれているならば、良心が責められることのない神に従って行くという正しい歩みをするのです。
私たちもこのテモテのように、神から託された、あるいは神が人を通して与えられた使命や役割が必ずあります。その使命が主からのもので、御言葉に照らし合わせて行くなら、主が聖徒たちと共に働いてくださり、互いに励まし合い、助け合いながら主の栄光と勝利を頂くことができることを覚えましょう。「信仰と正しい良心を保って」、日々主と共に歩み続けましょう。
結 び
パウロはテモテを励ますために、主の恵みと賜物、そして召命を思い起こさせました。主の召命に応えて行く時、御言葉と聖霊の導きによって「信仰と正しい良心」をもって歩み続け、さらに主から頂いている使命と役割を果たさせて頂くことを覚えましょう。