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『勝利を得させる神』

説教:髙橋 正人師
聖書箇所 申命記20:1-20

はじめに

本日の聖書箇所から、信仰の戦いについて、主が勝利を与えてくだくださることを見てまいります。

Ⅰ.万軍の主は圧倒的な勝利者である

主はモーセを通して、これからイスラエルが約束の地に入ってから直面する戦いについて教えられます。主が真っ先に命じられたことは、敵の軍備を見ても恐れてはならないということ(申命記20:1)、そして、戦いに勝利をもたらされる主を仰ぎ望むことでした(申命記20:2-4)。民の戦いは、信仰の戦いである故に、将軍が指揮をとる前に、祭司が声を挙げます。祭司は、本当に戦いに行くべき士気のある者だけを選んだのでした(申命記20:5-8)。

私たちの信仰生活には、様々な戦いがあります。もし、恐れに支配されてしまうならば、それは戦う以前にすでに勝敗は決していると言うことができます。主は、信仰における戦いに勝利を得させてくださいます。主が私たちと共におられるのですから、大切なのはどのように戦うのかではなく、だれが戦うのかを知ることです。主イエスは、十字架の死と復活によって、「死」はもちろん、全てのことに圧倒的な勝利者となられました。「神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょう。」(ローマ8:31)ハレルヤ!

Ⅱ.たましいに戦いを挑む罪を避けなさい

主はイスラエルに、主が相続地として与えようとしておられる国々以外に対しては、戦いの前に降伏を勧めることを命じました。相続地の人々については、民が誘惑に負けてその地の偶像の神々に仕えるようにならないためにと、滅ぼし尽くすことが告げられました(申命記20:10-18)。

これは、民を真の神から引き離そうとするものから勝利するようにということを教えています。今日の私たちクリスチャンに対して、聖書は、「たましいに戦いをいどむ肉の欲を遠ざけなさい」(Ⅰペテロ2:11)と勧めています。この世で生きる私たちには、たましいに戦いをいどむ罪との戦いがあります。しかし、主イエスは、十字架の贖いによって、私たちの罪に完全な勝利をもたらしてくださいました。主イエスを信じる信仰によって、私たちはキリストにつく者とされ、キリストをその身に着たのです(ガラテヤ3:27)。主を信じるものにふさわしくさせて頂いているのですから、日々、主と共に歩み続ける幸いを感謝しようではありませんか。

Ⅲ.実のなる木を切り倒すな

当時の戦いに於いて、敗者の地の木を切り倒すことは、敵に対して怒りを表し、罰を与えるための行動でした。しかし、主はイスラエルに、切り倒す必要のない木は切り倒すことはないと語られました(申命記20:19-20)。戦闘状態にあって興奮している者たちに、行うべきことだけを行うようにと、自制を促したのです。

戦争だけでも荒廃をもたらしますが、それ以上のことを行うなら何もなくなってしまいます。戦っても我を忘れてはいけませんし、怒っても、必要以上に怒ってはなりません(ヤコブ1:20)。信仰の戦いに於いては、主に信頼することから始まるのですから、勝利はすでに得ていることを信じて戦い抜きましょう。その戦いを通して、主の勝利と栄光を拝させて頂こうではありませんか。

結 び

主は、イスラエルが約束の地に入ってから直面する戦いについて、万軍の主が勝利を与えてくださることを教えられました。この約束ゆえに、主に信頼して従うことが、全ての戦略の土台です。今日、私たちは死にさえも勝利された主イエスが共におられるのですから、主を中心にしてあらゆる戦いに勝利させて頂けることを覚えましょう。

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