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『主が戦われる』

説教:髙橋正人 牧師

はじめに

本日の聖書箇所から、主は私たちのために戦われ、道なきところに道を作ってくださることを見ます。

Ⅰ.恐れてはいけない

イスラエルの民は主の導きの中、モーセに率いられてエジプトから「臆することなく」意気揚々と出て行きました(出14:8)。それは、主なる神がエジプト全土に及ぼした力ある業のゆえでした(出エジプト12:31-36)。それにも関わらず、心を翻したエジプト王パロとその家臣が追ってくるのを見て非常に恐れ、神とモーセに対してつぶやきます(出エジプト14:11-12)。

モーセは、前は海、後ろは追い迫るエジプト軍という絶体絶命の窮地にあって、民に「恐れてはいけない」と告げます(出エジプト14:13)。モーセは、この窮地が主の御手の中にあることを知っていたのです(出エジプト14:1-4)。主は、私たちの内に起こる全ての事をご存じです。主が知っていてくださり、主のみ手の内にあるならば、恐れる必要はありません。主は、信じる者たちのために、すべてのことを働かせて益としてくださるのですから(ローマ8:28)。

Ⅱ.しっかり立って、主の救いを見なさい

主に対する不信仰故につぶやく民に対して、モーセはさらに「しっかり立って、きょう、あなたがたのために行われる主の救いを見なさい。」(出エジプト14:13)と告げます。「しっかりと立つ」とは、主が何のために民を今在るところに置かれ、民が何者とされているのかを知るということです。

主が民をエジプトから導き出されたのは、荒れ野で死なせるためではなく、彼らが神の民となり、主を礼拝し主に仕え、約束の地へと向かうためです。今日の私たちも、主イエスの十字架の贖いによって救われ、また聖霊を頂きました。これは、荒れ野で死なせるためではなく、神の民となるためであるという明確な目的のためです。この事実に、しっかりと立とうではありませんか。そして、日々、主の救いと導きを見させて頂きましょう。

Ⅲ.主があなたがたのために戦われる

前にも後ろにも逃れる道がないところで、モーセは「主があなたがたのために戦われる。あなたがたは黙っていなければならない。」(出エジプト14:14)と宣言します。民が見たのは、主が道のない海の中に道が備えられただけではなく、追い迫るエジプトの軍を打ち破ってくださったということでした。

主はモーセに、「なぜあなたはわたしに向かって叫ぶのか。イスラエル人に前進するように言え」(出エジプト14:15)と語られます。民にとって、無事に水の中を通る保証も確かさもありませんでした。民は、主が語られる言葉を信頼し信仰によって歩むことが求められたのです。主は戦われます。私たちは、その戦いに参与させて頂いているのです。勝利の秘訣は、主に信頼し、不信仰の言葉や思いを捨てて、御言葉と聖霊の導きに従って歩くことであることを覚えましょう。

結 び

モーセは主が戦ってくださる、黙っていなさいと語りました。この言葉は、現代のクリスチャンたちにも語られています。主が戦ってくださるのですから、私たちはつぶやいたり疑うのではなく、黙って主に信頼し主を待ち望みましょう。主は道なきところに、道を作ってくださるのですから。

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