『キリストを証しする聖霊』
はじめに
本日の聖書箇所から、主イエスが父なる神のもとから遣わす助け主である聖霊は、主イエスを「あかしする」お方であることを見てまいります。
Ⅰ．聖霊は主イエス・キリストを証しする
主イエスは、弟子たちに「わたしが父のもとから遣わす助け主、すなわち父から出る真理の御霊が来るとき、その御霊がわたしについてあかしします。」（ヨハネ15:26）と語られました。神の霊である聖霊は、神のみ心や、主イエスのことを最もよく証しします（Ⅰコリント2:10-11）。
聖霊は、主イエスの地上での歩みを導かれましたが、主が昇天されてからは、主に仕え、主の栄光を表わすものとして働かれています(ヨハネ16:14)。聖霊の具体的な働きは、私たちに神に対する罪を認めさせ、義について、さばきについて理解させ教えて下さることです（ヨハネ16:8）。その結果、主の救いを受け入れ、主と共に生きるように導いてくださいます。聖霊は、信じる者全てに住んでくださるお方です。聖霊を心に迎え入れ、深く主を知る者とされましょう。
Ⅱ．聖霊は信じる者をキリストの証人とする
聖霊は、私たちキリスト者に「イエスは主です」という信仰告白を与え、「アバ、父よ」と祈ることができる神の子であるという確信を与えて下さいます。さらに、「あなたがたもあかしするのです」（ヨハネ15:27）とあるように、私たちを主イエスの証し人としてくださいます。
主イエスは、私たちを「地の塩」、「世界の光」とたとえられました（マタイ5:13-14）。聖霊は、私たちクリスチャンの全生活を通して、キリストを証しする者としてくださいます。福音を人々に語るべき時には、語る言葉を与えて下さいます（マタイ10:19-20）。また、信じる者をキリストに似る者として成長させてくださり、御霊の実を豊かに実らせるようにしてくださいます（ガラテヤ5:22-23）。クリスチャンたちの人格や品性を通して、主イエスは証しされるのです。
聖霊は、日々に神の御言葉と祈りを通して、私たちにご自身を証しされます。また、教会でのクリスチャンの交わりの中で、励まし合い支え合うことを教えてくださいます。聖霊の御声に聞き従う時、私たちはどんな時にも行き詰まることはなく、助け主、弁護者である聖霊によって導かれ、守られることを覚えましょう。
Ⅲ．聖霊は求める者には必ず与えられる
弟子たちは、ペンテコステの日に、約束の聖霊を受けました。その時、彼らは「聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話しだした」のでした（使徒2:4）。弟子たちに与えられた約束の聖霊は、彼らに全てのことを教え、また、主イエスが彼らに話した全てのことを思い起こさせてくださいました（ヨハネ14:26）。弟子たちはその後、主イエスを直接見てはいなくても、聖霊によって主がいつも共にいてくださることを現実に体験し、主イエスとその救いを宣べ伝えて行きました。現代の私たちも、聖霊によって主イエスという真理に導かれ、主の心を自分の心とさせていただくことができます。
主イエスを信じる者の内に、すでに聖霊はおられますが（Ⅰコリント12:3）、主イエスをなお深く知り、主の力強い証人とされるために、さらに聖霊に満たして頂きましょう。主は、待ち望む者には必ず聖霊のバプテスマを与えて下さいます。聖霊は信じる者の内に泉のようにわき上がり、溢れて流れ出すと約束されています（ヨハネ7:28）。
結 び
聖霊は、主イエスを証しし、私たちに救いの恵みを与え、主と共に歩む新しい命の生活に導いてくださいます。また、聖霊は、私たちに深い神の御心を教えてくださいます。聖霊を心に受け入れるとは、主イエスを内に受け入れることであり、主が共におられるとは、天地万物の創造主がおられるということです。聖霊は、求める者には誰にでも与えられます。すでに聖霊を心に受け入れている者は、聖霊に満たされ続けようではありませんか（Ⅰテモテ5:19）。
