『聖霊が教えて下さる』
はじめに
本日の聖書箇所から、主なる神が、主を知ることができるようにと私たちに遣わして下さった聖霊について見てまいります。
Ⅰ．神は御霊によって私たちにご自身を示される
人の心のことは、その人の内にある霊が最も知っているように、神を知るには、神の霊によらなければ誰も理解することはできません（Ⅰコリント2:11）。それ故、神は聖霊によって、「隠された奥義としての神の知恵」（Ⅰコリント2:7）を知ることができるようにして下さいました。「隠された奥義としての神の知恵」とは、救い主イエス・キリストのことであり、主の十字架の救いのことです。
主イエスによる救いは、天地創造の初めから父なる神が計画されていたものでした。主イエスの十字架によって、主を信じる全ての者は、罪を赦され、神の子とされ、永遠の命が約束されました。聖霊は、主イエスを教え、その救いを理解させて下さるお方です。私たちが主を知ることができるのは、御言葉と聖霊の助け以外にはありません。信じる者たちの内におられる聖霊によって、神ご自身をますます深く知り、神の御心を教えて頂きましょう。
Ⅱ．聖霊は神の御心の深さを知らせる
コリントのクリスチャンたちは、御霊の偉大な働きを見て体験していました。しかし、お互いの間に依然としてねたみや争いがあり、その姿は、霊的な幼子のようであり、「生まれながらの人間」のようでした（Ⅰコリント2:14）。
彼らは、素晴らしい御霊の働きを見ていたのですが、主ご自身を、また主の御心を理解していなかったのです。主イエスの十字架の言葉を聞いていても、御言葉が実際の生活に根付いておらず、目に見える表面的なことに捕らわれて、御霊が教える神の御心を見失っていたのでした。
聖霊は、私たちクリスチャンに、神の御心や御旨を思い起こさせ、理解させてくださいます（ヨハネ14:26）。キリストを救い主と信じる全ての者は、神の御霊を受け、神の御心を知るようにされ、御心の深みにまで到達するようにされたのです（Ⅰコリント2:12）。教会の中ではもちろん、毎日の生活の中で、絶えず御言葉をもって励まし助け、導いてくださる聖霊と共に、感謝と喜びを持って歩んで行こうではありませんか。
Ⅲ．聖霊に押し出されてキリストを証しする
私たちクリスチャンは、「御霊を受けている人」とされたばかりではなく、神の御心を教えて頂き、キリストの思いを自分の思いとさせて頂いた者です。神の思いとは、「すべての人が救われて、真理を知るようになる」ことです（Ⅰテモテ2:4）。そのために、父なる神は、ひとり子イエスを与えてくださいました（ヨハネ3:16）。
私たちは、その神の深い愛を知った時、先ず、心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして神を愛するようにされ（申命記6:5）、神との深い交わりに生きる喜びを知る者とされました。さらに、主の救いの恵みを、もっと多くの人々が知ることができるようにと、主は私たちを遣わしておられます（マタイ28:19-20）。
弟子たちはペンテコステの日に、約束の聖霊を頂き、地の果てにまでも主イエスの証人とされました。それは、目には見えなくても、キリストが確かに生きておられる現実を聖霊によって知らされたからでした。聖霊は、主イエスを信じる者の内にすでに住んでおられます（Ⅰコリント6:19）。内に住まわれる聖霊は、さらに内から溢れて外に流れ出し、異言を伴う聖霊のバプテスマとなります。この聖霊の満たしを求め、なお深く主の御心を教えて頂きましょう。何よりも、聖霊を与えて下さる、主イエスを心に迎え入れ、主との豊かな交わりに入れて頂き、主イエスが今も生きておられ、求める人たちに豊かな命を与えるお方であると伝えましょう。
結 び
私たちクリスチャンは、神の御霊を受けた者です。そして、主イエスの十字架の言葉によって救われました。聖霊は、神の言葉を理解させ、神の御心を知らせ、神の深みにまで私たちを導いてくださいます。神の御旨と深い愛を知って、ますます主の救いを感謝し、私たちを愛してくださったその神の愛をもっと深く知って、主との豊かな命の交わりに生きるようにさせていただきましょう
