『神の方法によって』
はじめに
本日の聖書箇所から、勝利の信仰生活を歩むために必要なことを見てまいります。
Ⅰ．神の民として整えられる
約束の地カナンにおいて、イスラエルの民は、これまでとは全く違う新しい主の民としての生活が始まります。主は、新しい地で生きるための備えを命じられました。それは、神の民であるという契約のしるしである「割礼」であり（ヨシュア5:2）、過越の祭りを行うということでした（ヨシュア5:10）。
割礼は生涯に一度だけのことであり、過越の祝いは繰り返して守るべきものです。これによって、民は自分たちが主の民として整えられていくことを覚え、主に感謝を捧げ、信仰の戦いに出て行きました。
これらのことは、今日の私たちクリスチャンにとっては、洗礼と聖餐式に当たると見ることができます。主イエスの十字架の贖いは、罪の人生の荒野をさ迷う人々を救い、罪の奴隷から解放し、主の新しい復活の命に生きるようにされました。主イエスの十字架の贖いによって、私たちは、神の家族として教会に呼び集められ、共に主イエスにあって成長し続ける共同体とされたことを感謝しましょう（エペソ2:21-22）。
Ⅱ．抜き身の剣を手に持つ者
ヨシュアをはじめ民は、主が与えると約束された地を獲得して行かなければなりません。その初めが、難攻不落の要塞と言われたエリコの攻略でした。この戦いは、これまで主の偉大な御業を見てきたヨシュアにとっても、恐れを伴うことでした（ヨシュア5:13）。
ヨシュアは、エリコ攻略のための作戦や計画を考えていたことでしょう。そんな時、彼の前に「抜き身の剣を手に持った」ひとりの人が現れます（ヨシュア5:13）。ヨシュアは、その人に味方なのか敵なのかをたずねます。しかし、その人の答えは、「わたしは主の軍の将として、今、来たのだ」（ヨシュア5:14）ということ。そして、「あなたの足のはきものを脱げ。あなたの立っている場所は聖なる所である」（ヨシュア5:15）というものでした。これは、これから後のカナンの地での戦いが、人ではなく主の戦いであることを示しています。また、今置かれているところは、主によって聖別された特別な場所であるというしるしでした。
私たちは、何か大きなことを行う前に、また、立ちはだかる困難や問題に向かう前に、先ず主の前に出て、「足のはきものを脱いで」主を礼拝しましょう。主が私たちの前に立って、戦ってくださると信じようではありませんか。主イエスは、「あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです」（ヨハネ16:33）と勝利の宣言されていることを覚えましょう。
Ⅲ．信仰の勝利者となるために
主の戦いを戦うために、主は、まず、勝利宣言をしてくださいます（ヨシュア6:2）。そして、次に戦略を示してくださいました。ヨシュアと民は、主が言われる戦略に従って出陣しました。主の戦略とは、隊列についてであり、町の周囲を回るというものでした（ヨシュア6:2-7）。
これは、人の目には愚かなことでした。しかし、主の約束を信じて従う時、主はエリコを陥落させ、民に勝利を与えてくださいました。ヨシュアと民の勝利は、信仰によるものでした。
主の偉大な御業は、信じるところにこそ現されます。私たちの先頭に立ち、導いてくださるのは大祭司イエス・キリストです。私たちの前にも、エリコの町のような微動だにしない大きな困難や問題、悩みなどが立ちはだかっていることでしょう。しかし、私たちの最大のエリコは、主に信頼しない不信仰です。自分の弱さや現実に押し潰される前に、十字架の主を仰ぎのぞみましょう。
主イエスの十字架と復活は、人間の最大の敵である死への勝利宣言です。私たちは世にある限り、罪や誘惑などによる戦いがあります。しかし、どの様な戦いの中においても、主イエスが勝利者として、私たちと共にあることを覚える時、勝利があなたに与えられるのです（Ⅰヨハネ5:5）。
結び
主はイスラエルの民がカナンの地を勝ち取るために、民の信仰を整えてくださいました。そして、これからの戦いは主の戦いであることを示してくださり、戦うための戦略も教えてくださいました。私たちの前にも、多くのエリコの城壁があります。しかし、私たちが神の御言葉に従い、主からの戦略を教えて頂く時、その城壁は崩れるのです。主の御言葉に従い、御霊に導かれて歩んでまいりましょう。主の勝利は、すでに与えられているのです。
