『最高の贈りもの、聖霊』
はじめに
本日の聖書箇所から、主イエスが祈り求め続けることを励ますために語られたたとえを見てまいります。
Ⅰ．祈りに必ず応えてくださる神
主イエスは、弟子たちに祈りを教えられた後に、祈りの姿勢についてたとえをもって語られました。ある人が旅人をもてなすために真夜中にも関わらず、友人に「パンを三つ貸してくれ」と頼みます。頼まれた友人は、友だちだからということではなく、あくまで頼み続けるので起き上がって、必要な物を与えたというのです（ルカ11:5-8）。主に「求め」、「捜し」、「たたき」続けるなら、「与えられ」、「見つけ出し」、門が「開かれる」のです（ルカ11:9-10）。
私たちの祈りの生活とは、神を神として畏れる中で、神に祈りお願いする、それを毎日続けることです。天の父なる神は、「あくまで頼み続けるなら」、その願いを聞き、必要なものを与えてくださいます。主なる神は、私たちが神に敵対していた罪人の時にさえ、ご自分の御子を罪人たちの身代わりとして死に渡されたほどのお方です。ですから、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことはありません（ローマ8:32）。信仰をもって真摯に、真剣に祈り願い続けるならば、主は最も良い時に、最善の形で応えてくださることを覚えましょう。
Ⅱ．主に飢え乾きをもって求めよ
真夜中に友だちのところに行ってまで頼み続けたのは、自分にはパンがなかったからでした。主なる神は、あらゆる良きものの根源であり、願い求める者には惜しみなく与えてくださるお方です。私たちが欠けや乏しさを覚えるなら、主に求め、主はその求めに応えてくださることを覚えましょう。
復活された主イエスが、昇天された後、弟子たちや婦人たちは、一つ所に集まって祈っていました（使徒1:13-14）。自分たちの信仰の現状維持や存続だけを願うなら、祈り求める必要はなかったかもしれません。しかし、主イエスが言われたように、地の果てに至るまでキリストの証人となって福音を宣べ伝えようとするなら（使徒1:8）、自分たちの無力さや貧しさは明らかでした。それ故に、弟子たちは宣教の力、証しの知恵を神に求めずにはいられなかったのです。
私たちは、主なる神を「アバ。父よ。」と呼ぶことを許されました。父が子に対して、魚や卵を欲しがるのに、蛇やさそりを与えるようなことはしません。神は、主イエスの十字架の贖いによって神の子とされた私たちの願いに対して、いかなる時にも最高のことを成就される父親です。主の御前において、心からの信頼をもって、「あくまで頼み続ける」ことの幸いを感謝しつつ、父親に対するように恥をも省みずに神に飢え乾きをもって願い続けましょう。
Ⅲ．主が与えてくださる最高の贈りもの
主イエスは、この世の父親でさえ、一般的には自分の子に良いものを与えようとすることを語られました。それならば、天の父は、なおさらです。神が与えてくださる最高のものとは、「聖霊」です。聖霊は主イエス・キリストを証しするお方で、私たちにキリストを大胆に証しする力を与えてくださいます。聖霊は、主イエスの言葉を思い起こさせ、御言葉の真実を教えてくださいます。
主イエスが弟子たちに願ったことは、聖霊に満たされることです。実際に聖霊を受けた弟子たちは、おおよそ福音を語るに相応しくない状況にも関わらず、神の御言葉を宣べ伝え、キリストの救いが全世界へと広がって行きました。主は今に至っても、主の救いを宣べ伝える者として、私たちに聖霊を豊かに与えてくださいます。聖霊に満たされ、押し出されて、主の御業をさせていただきまよう。
結び
主が、祈り願い求める者たちに与えてくださる最高の贈りものは聖霊です。キリストを証しする聖霊は、いかなる時にも私たちを愛し、共にいてくださいます。聖霊は、どんな時にも失うことのない希望を与え、主イエスを、そして神の御言葉を思い起こしてくださるお方です。主の最高の贈りものである聖霊に満たされましょう。
