『イエス様は良い羊飼い』
はじめに
主イエスは、御自身のことを「わたしは～です」と、たとえを用いてお示しになりました。今日の聖書箇所では、「わたしは、良い牧者です」と語られます。私たちの良い牧者である主イエスについて、一緒に見てまいりましょう。
１．良い羊飼いは羊をよく知っている
主イエスは、ご自分のことをたとえて、「わたしは良い牧者です」と言われました。「良い牧者」は、羊をよく知っており、その世話をし、猛獣などの危険から守ります。主は、羊としてたとえられている私たち一人ひとりを知っておられます（ヨハネ10:14-15）。それは、単に名前や性格を知っているということではなく、私たちの心の奥深くまで全てご存知ということです。
主が、私たちのことを知ってくださるのは、父なる神と御子イエスとの関係と同じであることを教えています（ヨハネ10:15）。主が私たちを深く知っているからこそ、私たちの状況を十分理解してくださり、親密に関わって救いの御手をもって導いてくださるのです。
私たちを知る主は、全てをご存知の上で、一人ひとりに御声をかけてくださり、御手を差し伸べて主イエスを信じる者としてくださり、主を礼拝する民としてくださいました。私たちがまだ主イエスを知らない時に、主イエスの方が私たちを知ってくださり、私たちの罪の裁きの身代わりとして十字架にかかってくださいました。今、私たちがあるのは、主の一方的な恵みであることを感謝しましょう。
２．主イエスは良い羊飼い
良い羊飼いは、門番が囲いの門を開くと、自分の羊をみな引き出し、その先頭に立って行きます（ヨハネ10:4）。群れの先頭を歩く羊飼いは、道の安全を確かめ、牧草や水のある場所へと導き、危険な場所や襲ってくる獣から羊たちを守ります（エゼキエル34:11-16）。また、羊が助けを求めて叫ぶなら、羊飼いはその声を聞いてくれます（イザヤ30:19）。
私たちの良き羊飼いである主イエスは、常に私たちの前を歩き、私たちを導いてくださいます。主は、過去に縛られ、将来に不安を覚える私たちを覚えて、私たちの人生の歩みにおいて先に立って導いてくださいます。主イエスは、神の御子でありながら、私たちよりも過酷な人生を歩んでくださいました（ヘブル2:18）。主は、罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたので、私たちの弱さに同情できるお方なのです（ヘブル4:15）。そして、私たちの命のために、十字架にまでかかってくださいました。それは、主の羊である私たちが、「いのちを得、またそれを豊かに持つためです」（ヨハネ10:10）。良い羊飼いである主イエスの御声、すなわち、神の御言葉に従う時、私たちは真の主の命に生かされることを覚えましょう。
3．良い羊飼いは羊のために命をすてる
主は、「わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます」（ヨハネ10:11）と言われました。これは、主イエスが私たちの罪の裁きの身代わりとして、十字架にかかってくださることを示しています。しかも、ここには良い羊のためにではなく、すべての「羊」、すなわち、まだ罪人である者たちに対してさえ、御自身の命を捨てることを述べておられます。
主イエスが私たちを救ってくださるというのは、私たちが何か優れた価値があるからとか、何か特別な能力があるからということではありません。主イエスの救いは、いかなる罪人であろうとも、全ての人に与えられているのです（エペソ2:8）。私たちは、主イエスが私たちの身代わりとなって十字架の救いを成し遂げてくださったことを信じ、主イエスを救い主として心に迎える時、救われるのです。私たちが永遠の命に生きる者となるために、主イエスが十字架の贖いを完成してくださったことを覚え、主を信じましょう。
まとめ
主イエスは、羊飼いと羊のたとえをもって、主と私たちの関係を示してくださいました。主は私たちを深く知ってださいます。私たち全ての罪も弱さも、何もかもご存知の上で、私たちの罪を贖い救うために十字架で御自身の命を捨ててくださいました。父なる神は、「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」（イザヤ43:4）と言われて、御自身の御子をも十字架にかけることを良しとされたことを覚えましょう。永遠の大牧者である、主イエス・キリストを信じて従ってまいりましょう。
