『真の命を得るには』
１．人は誰でも永遠の命を求めている
ひとりの人がイエスのもとに来て、「先生。永遠のいのちを得るためには、どんな良いことをしたらよいのでしょうか。」（マタイ19:16）と問います。この人は、「青年」で「多くの財産を持って」おり（マタイ19:22）、「役人」（ルカ18:18）でした。彼は若くして社会的地位や富を得、信仰においても神を信じる家庭で育った人であることが分かります（マルコ10:20）。人間的には、彼は幸せな人と言うことができます。しかし、この人は世の多くのものを手にしていましたが、「永遠の命」についての霊的なことにおいて、深い悩みを持っていたのです。
いつの時代においても、人は表面的には富や名誉など、この世のことを求めているように見えます。しかし、誰でも魂の深い所で「永遠の命」を求める心があります。「神はまた、人の心に永遠を与えられた。」（伝道者3:11）。「人が永遠のいのちを渇望するのは、失った永遠のいのちを捜そうとする人間の本能である」と言った人もいます。永遠の命を得るには、永遠の命そのものである主イエス・キリストを信じる以外にはないことを覚えましょう。
２．主イエスだけが永遠の命を与えるお方である
この青年の問いに対する主の答えは、「なぜ、良いことについて、わたしに尋ねるのですか。良い方は、ひとりだけです」（マタイ19:17）というものでした。この青年は「良いこと」について問いましたが、主イエスの答えは「良い方は、ひとりだけ」というものでした。この会話の中に「永遠の命」、「神の真の命に生きる」救いについての食い違いが表されています。
青年は、神の救いを受けて、永遠の命に生かされるのは、人間の良い行いによるということ、すなわち、「人の行為」の代償として得られるものと考えていたのです。しかし、神の救いは人間の行為によって得られるほどの安価なものではありません。救いは「良い方」からの一方的な恵みによって与えられるものです。永遠の命を得るためには、救いを与えてくださる「良い方」である主を信じ、主と共に生きることです。
私たちの救いのために、父なる神は、ひとり子イエスの命を代価としてくださいました。主イエスの十字架の贖いによって、人の救いを完成してくださいました。真の命なる永遠の命は、父なる神が与えてくださる救いによるのです。御子イエス・キリストを信じる信仰によって与えられる救いを「今日」という日にいただきましょう。
まとめ
永遠の命は、人の行いによって得られるものではなく、「良い方」である主なる神から与えられるのです。主が青年に求めたように、人の力によってではなく、幼子のように主のもとに来て、真の命をいただきましょう。父なる神は、私たちのために、御子の十字架の贖いによる救いを完成してくださいました。主を信じ、この救いを感謝していただきましょう（ヨハネ17:3）。
