『あなたと共におられる主』
はじめに
モーセの後継者として立てられたヨシュアは、主からいよいよ約束の地へ入ることを命じられると同時に、「わたしはあなたとともにいる」という特別な励ましを与えられます。今朝は、主が共におられるという、最も力強い約束を見てまいります。
１．主の召命
ヨシュアを選ばれたのは、どこまでも主御自身です（民数記27:12-23）。主はヨシュアに直接語られ、ヨルダン川を渡り、約束の地カナンを獲得するよう命じられます。ヨシュアは「わたしは、モーセとともにいたように、あなたとともにいよう。」（ヨシュア1:5）という約束を与えられました。
ヨシュアは主の言葉に従って、戦いのための準備を始めます。また、すでにヨルダン川東部に定住している二部族半（ルベン人、ガド人、マナセの半部族）に対し、まだ相続地を得ていない同胞のために、先頭に立って戦いを支援するように命じます（ヨシュア1:12-15）。それに対して、二部族半の人々は、「私たちは、モーセに聞き従ったように、あなたに聞き従います。」（ヨシュア1:17）と忠誠を誓います。
ヨシュアは主に召されて、新しい指導者として立てられましたが、民もまた、ヨシュアをモーセに代わる指導者として受け入れました。主の選びは、主観的なものであると同時に、人々が認めるという客観的な要素も含まれます。主が御自身の業をなされるとき、人それぞれに賜物を与え、役割を定めてくださいます。すべての働きは、共に奉仕する者たちの一致と協力が大切です。主の御業のために、与えられた賜物を生かし合いましょう。
２．主の約束を信じて生きる
約束の地はすでに与えられていました（ヨシュア1:3）。ヨシュアと民にとって大切なことは、この主の御言葉を信じ、共におられる主に従って、足の裏で約束の地を踏み行くことです。「主が共におられる」という約束は、今日、主イエスと共に生き、御言葉に従って歩む私たちにも、繰り返し与えられている約束です。いかなる状況にあっても、主が私たちと共にいてくださるということ以上に幸いなことはありません。
マタイ福音書は、御子イエスが誕生される時、その名は「インマヌエル (神は私たちとともにおられる)（マタイ1:23)と呼ばれると示しています。また、同じマタイ福音書の最後では、復活された主イエスが天に昇られる時、「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」（マタイ28:20）と語られました。主が共におられることを覚えて、さらに私たちは信仰によってヨシュアのように前進して行きましょう。
３．主に従う
主はヨシュアが約束の地を受けるために、必要な事を示されます。それは、主がモーセに命じたすべての律法を、ヨシュアも守り行うということ、「強く。雄々しく。恐れず。おののかず」主と共に歩むことでした。
今日、私たちに求められていることは、ヨシュアが主の律法に従うことを命じられたように、主の御言葉にしたがうことです。また、民が、主が立てた指導者ヨシュアに従ったように、主が立てられた秩序に従うことです。
主人は、しもべが言いつけられたことをしたからといって、そのしもべに感謝はしません。私たちは、自分に言いつけられたことをみなしてしまったら、なすべきことをしただけですと言うのです（ルカ17:7-10）。私たちは、主のしもべであることをもう一度覚えましょう。
主は、主御自身とその御言葉に従う者に、主の栄光を現して、力と恵み、慈しみを与えられます。 主が私たちクリスチャンたちのために立てている計画は、平安を与える計画であり、将来と希望を与えるためのものです（エレミヤ29:11）。また、私たちすべてのために、ご自分の御子をさえ惜しまずに死に渡された父なる神は、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことはないことを覚えましょう（ローマ8:32）。
まとめ
ヨシュアにとって、「わたしは、モーセとともにいたように、あなたとともにいよう。」（ヨシュア1:5）という約束は、何にもまさる大きな励ましでした。ヨシュアは全能の神が共にいることを知っていたので、イスラエルの民を率いて約束の土地に入ることができました。この約束は、モーセやヨシュアにだけ与えられたのではなく、今生きる私たちにも与えられていることを覚え、主の御言葉と主が立てられた秩序に従ってまいりましょう。
