『ネヘミヤのリスト』
説教:高橋正人 牧師
聖書箇所 ネヘミヤ3:1-12
ネヘミヤ記中のエルサレム城壁工事の分担リストは、これに関わった人たちの信仰を表しているだけではなく、神の慈しみが、いかにイスラエルの人々に注がれているかを示しています。今朝はご一緒に、その神の慈しみと、城壁の再建のために立ちあがった信仰者たちの姿をご一緒に見てまいります。
Ⅰ.神の偉大な御業を語る名簿
- ネヘミヤ3書には、エルサレムの城壁再建に加わり、協力を惜しまなかった人々の名簿が記してあります。これは、単に信仰深い者たちの名を記したのではなく、彼らを通して働かれた神の偉大さを後世に伝えるためです。
- 人の罪によって破壊され崩壊してしまったものも、神はその憐れみによって癒やし、再建してくださいます。人々は、神の慈しみによって立ち上がる力を与えていただいたばかりでなく、エルサレムの城壁再建という神の御業に加わらせていただきました。
- 私たちは、罪によって破壊され霊的に死んだ者でしたが、主イエスの十字架の贖いによって新しい命に生きる者とされ、神の御業を行う者とさせていただきました。神から与えられている賜物に感謝し、神の働きのために活かしていただきましょう。
Ⅱ.城壁再建のために立ちあがった人々
- 神はネヘミヤをリーダーとして遣わし、彼を通して、城壁再建のために立ちあがる人々を起こされました。これらの人々は、強制されてではなく自発的に神の御業に加わった人々です。再建工事は、エルサレムの北側の「羊の門」から始まりましたが、着手した人々のリストとして、祭司たち、金細工人、香料作り、地区の半区の長、地区の長、そして婦人たちなどが挙げられています。彼らは、働きや立場をまったく異にする人々ですが、神のために共に仕えた人々でした。
- このリストを見る時、神はどんなに小さな働きであっても、覚えてくださっていると言うことがわかります。私たちの日々の小さな奉仕は、神の前に尊いものとして覚えられています。どのような時にも、忠実に委ねられた奉仕を全うして行きましょう。「私の愛する兄弟たちよ。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは自分たちの労苦が、主にあってむだでないことを知っているのですから。」(Ⅰコリント15:58)
Ⅲ.神の国のために共に働く協力者たち
- 神の国の建設のために、ネヘミヤ書で様々な人々が神のために集められたように、キリストの教会は、神によってこの世から呼び出され集められた者たちの共同体です。私たちは神の家を建てあげるという大きな使命が与えられています。そのためには、誰ひとりとして欠けてはなりません。皆の協力が必要です。皆の益となるために、おのおのに御霊の現われが与えられており、互いはそれぞれ必要な人であり(Ⅰコリント12:7)、共に神の国の建設のためになくてならない人であるということを知りましょう。「何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。」(ピリピ2:3)
結 び
私たちは主イエスによって神の民とされ、「いのちの書」(ピリピ4:3)に名前を記されました。ネヘミヤ3章にある神の城壁再建者たちの名前のリストを前にして、私たちは主イエスの十字架の贖いによって罪赦され、神の子とされ、神の国の建設のための働き人として、使命を与えられていることを覚えましょう。日々、み言葉と御霊に導かれ、互いに神の国建設のために必要な者として、隣人を受け入れ合ってまいりましょう。私たちの内に良い業を始めてくださった神御自身が、私たちの内に働いて御業を完成させてくださることを感謝しようではありませんか。「天の神ご自身が、私たちを成功させてくださる。だから、そのしもべである私たちは、再建に取りかかっているのだ。」(ネヘミヤ2:20)