命ある言葉

このたび私たちのオアシス館では詩画作家星野富弘さんの作品を展示することにしました。と言ってもそれは本物の絵ではなく、カレンダーの絵を切り抜いて額に飾るだけの作品です。私たちが毎年使っているカレンダーに富弘さんの素晴らしい”詩画“が印刷されているのですが、終わってしまえば仕舞い込んでしまうだけではもったいないと思って皆様にご披露したいと思いました。
富弘さんについては既に多くの方がご存知だと思いますが、もともと中学校の体育の先生だったのですが、練習中に頸髄を損傷し手足の自由を失い障がいを背負う身になってしまわれたのです。しかしやがて彼は口に筆を加え文字や絵を描くことに挑戦し、身近に見る草花などを描くとともに、そこに短い詩を添えるようになり、間もなく個展を開くまでになっていったのです。それが見た方々に深い感動を与え、やがて各地で展覧会が開かれるようになり、また著書としても出版され次第に広く知られるようになっていったのです。
今回富弘さんの作品を一枚ずつ眺めてみて改めてその凄さに感動しました。大きなハンデを背負いながら制作されたということの素晴らしさ以上に、私は絵画に添えられた詩句に大きな力を感じたのです。日常の何気ない花や鳥などの生き物の姿を描きながら、我々が見落としていることをしっかりとその目で捉えていて、それをさり気ない表現で短い言葉を紡ぎだしているのです。その言葉の持つ力は、私に大きな気付きを与えるととともに、感謝や希望、喜びや勇気を与えてくれるのです。それは我々が生かされているこの世界の背後に働いている偉大な創造主の力を彼にははっきりと見えているからだと思います。私は富弘さんこそ現代の偉大な詩人のひとりだと言っても良いのではないかと考えています。
まさにその言葉には人を活かす力が潜んでいます。人間の世界においては言葉こそ命を与えてくれるものだと思います。旧約聖書の創世記では、創造主は言葉をもってこの世界を造られたと記されています。また新約聖書のヨハネ福音書でもその冒頭にキリストイエスを「ことば」だと説明しています。それこそ命ある言葉なのだと思います。
私たちのオアシス館では6月15日からこのカレンダーに印刷された詩画を展示して多くのみなさんとこの奥深い言葉の味わいを分かち合いたいと願っています。ぜひお立ち寄りくださいますようお待ち申し上げております。
(S.M)

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